「最近なんだか素直じゃない」「学校や友達のことを話さなくなった」「生意気な口をきいたかと思うと急に甘えてくる」……子どもが9歳を過ぎるころから、このような親の声を多く耳にするようになります。

 9歳、10歳というと、思春期にはまだちょっと早く、本格的な反抗期でもないものの、なんだかちょっと扱いづらくなる時期です。『AERA with Kids 秋号』(朝日新聞出版)では「9歳・10歳の壁」と名付け、その時期の子どもたちの向き合い方を詳しく解説しています。

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 まだまだ親や先生に甘えたいけれど、自分で頑張ってみたい気持ちもある。いけないことだとわかっていても、注目してほしくてやってしまう……。この時期の子どもの心は、本人も戸惑うくらい揺れ動きます。

「なんといっても経験不足ですから、感情の消化不良ばかりです。そんな中で、子どもは真剣に悩み、喜び、相手と関わろうとしています。親はそのことを忘れないようにしましょう」

 こうアドバイスするのは、一般社団法人kokoro教育研究所代表理事の尾塚理恵子さん。

「大切なのは、親はどんと構えて子どもを受け入れる基本姿勢をとっておくことです。その場しのぎのご機嫌取りや、同じ土俵に立っての口げんかをしていたのでは、親として子どもを導くことはできません」

 尾塚さんは、9歳、10歳の子どもと向き合うポイントは、3つあると話します。

【1.まかせる】

「自分で決めたい」という気持ちが強くなる時期なので、その気持ちを尊重してあげることが大切。親が子どもを信じていることをしっかりと示してから、子どもに主導権を握らせてみましょう。しかし、習い事など、すぐに飽きてしまったり、やめたいと言い出したりしたときは、「自分に合わない」と感じるまで頑張ることや、自分で決めたことは責任を持ってとことん臨むことも大切であることを伝えます。

 それでも「やめたい」というのであれば、それを責めるのではなく、理由をきちんと聞き、次のステップをどうするかいっしょに考える親のフォローは必要です。

 また、まかせることで、なにかをやり遂げたという達成感や充実感を味わわせることも重要です。これは親からの「応援しているよ」という気持ちを受けることでグンと高まります。「あなたなら大丈夫、できるよ」というプラスのイメージを子どもに与えることも大切です。

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AERA dot.編集部
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