【2.はなれる】
そろそろ親は手や口を出すことを控えて、見守りの態勢に入るとき。とはいえ、「はなれる」は、決して「放任」のことではありません。手を出してあれこれやってあげたり、なんでも口をはさんだりするのを控えてみましょう。
子どもの意志を尊重する中で、子どもが自分だけでは乗り越えられない壁にぶつかったときこそ、親は手を差し伸べ、アドバイスを送るとき。これは親がきちんと子どもを見守っていないと察知できません。目と心は常に離さないことが大切です。
子ともが自ら考えて導きだした答えや行動があったら、その成長をおおいにほめてあげましょう。ほめられることは、子どもの心の成長を促します。ただし、無意味にほめるなど、大げさな表現は子どもを自信過剰にさせ、逆効果になるので要注意です。
【3.心を聴く】
このころは、気持ちを素直に話さなくなるので、表情や声の変化を読み取り、心をくみ取りましょう。
また、親は子どもの話をしっかり聞いたつもりでも、子どもが「お母さんは話しを聞いてくれない!」と文句を言うケースが多く見られます。聞いてほしいという子どもの願望に応えるのに、うなずきやあいづちをはさむのはとても効果的。さり気なく取り入れて。
とはいえ、子どもの話にいつも全身全霊でむかっていたのでは、親も疲れるし、子どもも気軽に話せなくなるので、子どもの状態や内容に合わせて、聞くレベルを調節することも聞き上手のテクニックです。
さらに、子どもは、親が気になることを尋ねてもすぐに答えるとは限らないもの。「どうしたの?なにかあったの?」と聞いても、黙っていることもあります。そんなときは、「話したくなったら、聞かせてね」と時間を与えることで、子どもは心の整理をつけることができます。答えを急かすのは禁物です。
まだまだ子ども、と思っていても、確実に大人へのステップを登り始めている9歳・10歳の子たち。本書では、発達心理学の専門家や、学校の先生たちの声も交え、この時期の子どもたちの内面や行動パターンをわかりやすく解説しています。本格的な思春期に入ってから、「子どもの気持ちがわからない」と嘆く前にぜひ知っておきたいものです。