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地方にとってショッピングモールは“弊害”でしかないのか?

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滋賀県守山市にあるショッピングモール「ピエリ守山」の“過疎”ぶりがあまりにも深刻だと話題になっている。2008年の開業当初は約200のテナントが入り、初日は5万人もの来場を記録した同施設。しかし現在のテナント数は約10店舗にまで減少し、この惨状を聞きつけた人々が現地からの動画レポートや、店内の様子を撮影した画像を掲載しネット上で波紋を呼んでいるのだ。

しかし一方で、年間来場者数が東京ディズニーリゾートの約2倍の5000万人にのぼるショッピングモールも存在する。ピエリ守山と同年の08年にオープンした埼玉県越谷市の「イオンレイクタウン」だ。敷地面積は東京ドームの約7個分。この中に700店舗以上のテナントが入るという。

現在、日本全国にあるショッピングモールやショッピングセンターと呼ばれる商業施設は約3000。その中ではピエリ守山とイオンレイクタウンのようにショッピングモール間における競合が始まっており、書籍『ニッポンのジレンマ ぼくらの日本改造論』でもこのテーマについて言及されている。「1970年以降生まれ」が復興と地域活性化について徹底討論するNHK Eテレの番組「ニッポンのジレンマ」を収録した同書で、登壇者の一人である公共政策学者の西田亮介氏はこのモール間の競合化による影響を次のように語る。

「同じテナントばかりではほかとの差別化が図れませんから、必然的にテナント、つまりコンテンツをいかに充実させていくかが鍵になる。であればショッピングモールの多様化の動きも出てくるでしょうし、あるいはある分野に特化して品揃えを充実させたような特殊なモールが出てくることも大いに考えられる」

これまで郊外のショッピングモールといえば、地域の商店街を衰退させてしまうことや、郊外景観の画一化の原因として問題視されてきた。しかし、近年すでに地域に定着したショッピングモールでは、課題は上記のようなフェーズに入っている。ピエリ守山のような「死に体」状態のモールもあるものの、「見た目は同じように見えるけれど、そこで生きている人の生活は以前に比べて、豊かになっている可能性も見ていくべきでしょう」との評価も。

モール間の競争によって地方の消費生活が充実していくこと自体は悪いことではない。批判的なトーンで語られることも多いショッピングモールだが、地域経済におけるポジティブな側面に注目することも大切なのかもしれない。


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