もうずいぶん長い間にわたって、政治に無関心な若者が増えつつあると言われている。が、実際のところ本当にそうなのだろうか? というのは学習書や辞書などを発行する大修館書店がこの3月に現役高校生を対象に調査を行ったところ、著名人の意外な認知率が明らかになったのだ。

 『イマドキ高校生の書けそうで書けない言葉』と題して行われたこの調査では、テレビやインターネットなどで頻繁に取り上げられる人物や言葉にフォーカス。実際に名前や言葉について“書ける”か、“顔を思い浮かべられる”のかどうかを質問した。

 言葉に関しては、70%の高校生がTPP「かんたいへいようせんりゃくてきけいざいれんけいきょうてい(環太平洋戦略的経済連携協定)」を漢字で“書ける”と答えたのをはじめ、アベノミクスの柱である「きんゆうかんわ(金融緩和)」についても69%が“書ける”と回答。高校生の政治・経済への知識の高さをうかがわせた。一方で、2月に竣工した「かぶきざ(歌舞伎座)」や招致が話題の「オリンピック(olympic)」の綴りは正確に書くことができないなど、メディアで話題になったことへの認知はあまり高くないようだった。

 また意外な結果となったのが著名人の名前。CMやドラマで人気の「剛力彩芽」の名前を“書ける”としたのは約55%だったほか、マンチェスター・ユナイテッドFCで活躍する「香川真司」は45%程度と、エンタメ系、スポーツ系の人物は意外に低調。“顔を思い浮かべられる”については剛力が80%、香川が60%となった。最近、話題をふりまくことの多い「エッチなお姉さん」こと壇蜜も、“書ける”が全体で47%程度、“顔を思い浮かべられる”は65%ほど。意外なことに、そんな芸能人らを抑えて第1位となったのが「安倍晋三」首相。“書ける”で62%、“顔を思い浮かべられる”で83%と、どちらの分野でも断トツの認知率。この結果だけをみると、最近の高校生は「政治離れ」より「エンタメ離れ」しつつあるのかもしれないと思わせられる。

 ところで、壇蜜に関してはさらに意外な事実が発覚。調査結果を男女別で見たところ、女子が“書ける”57%、“顔を思い浮かべられる”76%と比較的高めの割合だったのに対し、男子が“書ける”38%、“顔を思い浮かべられる”59%とかなり低めの結果に。壇蜜は、男子よりも女子高生の方によく認知されていた。男子が伸び悩んでいるのは、昨今の“絶食系”男子にとっては少々刺激が強すぎるからだろうか?

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大修館書店
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