■韓流スターを好む主婦層に人気

 芸能リポーターの川内天子氏も同作でのディーンをこう評価する。

「『モンテ・クリスト伯』は初回あたりのストーリー展開が少し冗長だったので、視聴者がそこで離れていった感もありますが、やはりディーンの演技がよかった。これまでは、イケメン俳優で好青年を演じて、注目されていましたが、このドラマで見せた残酷な表情と冷たい目が素晴らしかった。海外のエンタメ界の出身ということもあって、劇中で復讐に燃える姿は海外のサスペンスを見ているようで、思わず引き込まれましたね。今後は悪役という新しい境地でブレイクするかもしれません」

 さらに人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)の脚本を担当した野木亜紀子氏も熱狂的なファンの一人。放送中はなぜか自身とまったく無関係の同作を、ツイッターなどで熱烈に応援していた。

「フジテレビのネット局である東海テレビの十八番である昼ドラ感が満載で、ファンにはたまらない作品でした。また、昼ドラ的なネットリとした、このドラマの良さがうまく伝えらないのが、今のフジテレビの限界であり、そこは非常に残念。もっと打ち出し方を変えれば、数字も上がったかもしれないですよね」(テレビ情報誌の編集者)

 「空飛ぶタイヤ」にしても、ディーンの役は“いかにも昼ドラ”な立ち回りを見せる。そして「やっぱりディーンはかっこいい」との評判も上がっていたようなのだ。

「正直、ディーンの演技はそこまでうまいとは思えません。また、海外から逆輸入的に日本でデビューしたこともあって、どこか韓流スターのような雰囲気も漂っている。でも、逆に言うとだからこそ人気があるとも言えます。韓流ドラマは、演技力というより、一昔前の古いストーリー展開が受けてましたよね。韓流スターはいまだに主婦層に人気ありますし、今は若い世代も韓国一辺倒ですからね。彼が所属するアミューズも、数年前から海外事業に力を入れていますし、事務所の売り出し方が世間の期待と合致しているのかもしれません」(前出のプロデューサー)

 海外での居住経験も長く、妻子はインドネシアにいるというディーン・フジオカ。また、ラップ音楽にも詳しく、ミュージシャンとしての顔もあり、その活動実は実に多彩だ。どんな角度から見ても、イケメンであるということが彼の評価につながっているのかもしれない。(ライター・黒崎さとし)

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