――あなたの役は監督自身の自伝的要素もあります。この役つくりで大変だったことは?

「その点は責任重大だったと思う。100%彼女というわけではないにしてもね。あのキャラクターの中には、グレタの要素がそれは沢山つまっているから。またこれは彼女にとって初の監督作となるわけだし。彼女のためにも、描こうとしている世界を正確に演じたかった。レディ・バードというキャラクターを2人で作り上げていくうちに、このキャラクターが私達ふたりの分身のようになっていった。誰もが一緒にいたくなるようなクールなティーンエイジャーとして、正確に演じたかった。演技では作品によって役つくりの過程が違う。この映画の場合はシーンによっても異なる。というのは成長過程にいる少女だから。レディ・バードは自分をみつけようとして模索している、それを自分でもやったの」

――演じていてこれこそレディ・バードだわ!と感じた瞬間はありましたか?

「最後に撮影したシーンかな。映画では最初のシーンになるわけだけれど。あの頃までには、ほとんど全部のシーンの撮影が終了していた。母親役のロリー・メトカーフと一緒に車に乗っていて飛び降りるシーン。演技を始めるとすぐにロリーと私は息がぴったりで、お互いをぶつけあって演技した。まさにコレよ、と思った瞬間だったわ」

――その母役のロリーとの共演も素晴らしいですが、母娘役を演じるにあたり、2人でどんな準備をしましたか?

「最初からロリーと私の間には、特別なケミストリーがあったと思う。仕事に対する姿勢が似ているし、仕事に真剣だけれど楽しくやりたいと思っている。撮影前には1日くらいしか一緒に過ごせなかったの。脚本の一緒のシーンを呼んで、どこに焦点をあてるか話し合った。2人が言い合う時の立場がシーンによって異なっていたから。あまり準備期間はなかったから、多くを本番にまかせるしかなかった」

――レディ・バードがキャラクターとしてこれほど魅力的なのは何故だと思いますか?

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