無理にミニコントをやったりして笑いの場にするのではなく、自然の中でそこにいる時間をただ楽しむ。そんな時間が、今のヒロシさんには大事だという。
「すぐ近くのコンビニには行けないのに、大好きな山には10時間かけても行くんですから、ほんとよくわからないですよ、自分が……」
そう笑いながら話すヒロシさんは、明らかに幸せそうだった。
「いま、YouTubeでヒロシちゃんねるを開設して、キャンプの動画なども投稿しているんですよ。結構見てくれる人がいて、この前は、視聴者にキャンプ用品をプレゼントするコーナーもやったり。いずれは、自分のブランドのキャンプ用品も出したいですね」
そんなヒロシさんに今後の目標を聞いてみた。
「実は、山を買いたいんですよ」
山……。
「山を買って、自分で土地を開拓して、畑やったり、キャンプ場を作って、ヒロシ王国を作りたいんですよ」
なんとも壮大な夢を語るヒロシさん。
「でもね」と口にするや否や、「土地を買うのは、色々と大変でしょ。まず、人に会わないといけない。それで、山は権利とかが複雑化していて、手続きが面倒くさいんですよ。しかも、人が信用できないから、困ったもんなんですよ。だから、下調べだけでなかなか進まなくて」
やはり最後もヒロシ節。壮大な夢に向かってアクセルを踏みつつも、本来のネガテイブさがブレーキをかけながら、徐行運転を繰り返す。そうやって、慎重に進んで確かな道を切り開いてゆく。それが、ヒロシです。(新津勇樹)