昔から伝わるならわしには、開運のヒントが満載。『AERA with Kids 冬号』(朝日新聞出版)では、和文化研究家の三浦康子さんの解説で、開運につながるさまざまなならわしを紹介しています。

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 日本に昔から伝わる行事やならわし。「そんなの迷信でしょ」と流していませんか? 実はどのならわしにも、邪気を払ったり豊作を願ったりと意味があるのです。「それぞれに、私たちが元気に過ごせるような知恵や願いがこめられているのです。とくに年末や年始の過ごし方は、新しい一年の運気に影響するといわれます」と話すのは、和文化研究家の三浦康子さんです。もうすぐ迎えるお正月に向けて、家族で行いたい運気アップのならわしを8つ紹介します。

1.受験生はまず食べておきたい「伊達巻き」
お正月の食卓を飾る「おせち料理」は縁起の玉手箱。数の子は子孫繁栄を願い、めでたさを色で表す紅白かまぼこや、「喜ぶ」に通じる昆布巻き。意外と知られていませんが、伊達巻きはその形から「巻物」に通じ、知識の象徴とされているので、受験生ならぜひ食べておきたいもの。また、出世魚のぶりも立身出世に通じる食べものなので、受験など大切な日の前には食べておきましょう。こんなふうに、それぞれの料理が持つ意味を子どもと話すのも楽しいですね。

2.祝い箸は神様といっしょに食事ができるツール
料理をいただく「祝い箸」にも注目。祝い箸は、両端が細くなっています。これは、片方が神様用、もう片方が人用の「神人共食」仕様のため。大みそかに、使う人の名前を書いた箸袋を神棚か鏡餅に供えておきましょう。松の内は同じ箸を使うことで、神様とのご縁も深まります。

3.元旦に汲む「若水」で身心ともリフレッシュ!
元旦、いちばんはじめに汲む水には、一年の邪気を払う力があるといわれます。これが「若水」。昔は井戸で汲み、その水でお雑煮を作ったり、茶を淹れたりするのがならわしでした。水道が発達した現在では、水道の水でもOK。パワーあふれる若水で、心身ともにリフレッシュしましょう。

4.元旦に新調したい「歯ブラシ」
元旦には健康に通じるものを新調するならわしもあります。気軽にできるのは、歯ブラシの新調。健康な歯は、身体も気持ちも元気に保つことにつながります。気持ちも引き締まって、いい新年のスタートが切れそうですね。

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AERA dot.編集部
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