自分が支援したい自治体に寄付し、その土地の名産品などを返礼品として受け取ることができる「ふるさと納税制度」。2008年の制度開始から8年目となり、各自治体の返礼品も、肉や海産物からパソコン、自転車までバラエティーに富んでいる。そんな中、淡路島にある兵庫県洲本市の返礼品が、ゲーマーたちの間で話題となっているという。
それは、1986年の第1作発売以降、新作が発表されるたびに話題となる人気ロールプレイングゲーム、「ドラゴンクエスト」シリーズのグッズだ。16年2月、同市の返礼品に、ドラクエシリーズに携わるゲームソフト会社、スクウェア・エニックスのグッズが加わった。
同市にふるさと納税をすると、金額に応じて、スライムをはじめとした人気キャラクターのぬいぐるみやフィギュア、マグカップ、スマートフォンケースなどが贈られる。これまでに返礼品となったグッズは100種類を超え、11月下旬からスタートした第4弾では、市はグッズ87種類、寄付額1万円から50万円までの43コースを用意した。
納税者やゲーマーたちからの反応は上々だ。市によると、11月末までに約1300件、約2500万円の寄付の申し込みがあったという。第4弾では、1セットだけ用意したグッズ全種類が贈られる50万円のコースが、申し込み開始後1分もたたないうちに売り切れた。毎回人気のコースは早々に品切れとなるため、ツイッターでは「品切れだらけ!」「(品切れ)はや!」と驚きの声が上がる。
市の担当者は「洲本には興味がないが、ドラクエグッズはどんどんやってください、という声もある」と苦笑する。安定した人気を誇るのはスライム、キングスライム、はぐれメタルのマグカップセット(1万円)だが、はぐれメタルとさまようよろいのメタリックフィギュアセット(1万円)も申し込みが多いそうだ。担当者の推しグッズは、ミミックのクッションと30周年記念バージョンのスライムのぬいぐるみ、ブランケットのセット(5万円)だという。
なぜ洲本市の返礼品がドラクエグッズなのだろうか。
実は、同市はドラクエシリーズの生みの親でゲームデザイナー、堀井雄二さんの出身地なのだ。現在も実家があり、市によると、ふるさと納税制度が始まった08年から毎年、堀井さんから多額の寄付が寄せられてきた。市は福祉車両の購入などで活用しているという。