「夫婦げんかをするシーンがすごく好きですね。最初起こってたことと全く別の、くだらないことまでイライラしてくるっていうふたりの感じが、けんかしてるんだけど本当に夫婦になった感じがして好きです」

 実はこのシーン、アフレコは周作役の細谷佳正とのんは別々に撮影したのだという。監督はそのシーンについて次のように振り返る。

「スケジュール的に(アフレコは)2カ月くらい離れてやっていたんですね。それなのにみんな会話ができてるのがすごいな。周作さんの声を先にとったのを聞きながら、のんさんはやっていたんですね。それなのに、全部普通に会話しているように聞こえるのがすごくよかったですね」

 今作は、日常の幸せを描いた作品でもあることにちなんで、「日常で幸せを感じるときは?」と尋ねられると、のんは「ポテトチップスとチョコレート食べるときですかね」と即答。しかし今、それらの好物は制限していると言い、「仕事が一息ついて次の日何もない日にしか食べないようにしていて。一日チョコ1個とか決めてるので。それを食べてる時が一番幸せ。バクバクバクって」とかわいらしい一面をのぞかせた。

 しかしこれに監督が「でも『チョコレート食べちゃダメなんです』って言って、キャラメルいっぱい食べてたじゃん」と突っ込みを入れると、のんは「キャラメルはまだ制限してなくて……」とタジタジ。終始仲の良さを感じさせる舞台あいさつだった。