「対策が『遅い』と批判されるなかで、2人が逮捕されたらどう防戦するか。そのタイミングで、追加の大型経済対策の発表を考えているのでは」(自民党幹部)
河井夫妻の疑惑は、自民党本部が出した計1億5千万円の選挙資金にも及んでいる。森友問題は、安倍首相の妻・昭恵夫人の関与も取り沙汰されてきた。党内ではいずれも安倍首相の関与の疑いがあるために、新型コロナ対策が遅れているのではとの疑念も広がっている。官邸関係者は言う。
「もともと安倍さんは消費増税に消極的で、8%から10%に引き上げるときは2度も延期した。それが、今では与野党の議員から国会で消費減税を迫られても、減税には言及しない。『森友問題で借りがあるから財務省に強く言えないのではないか』と思われている」
自らの疑惑で新型コロナ対策が遅れているのであれば、それが日本にとって最大の“リスク”となる。ある与党議員は、吐き捨てるように言った。
「経済対策が遅れたら、日本ではこれから自殺者が相次ぐ。国民の命を守れない首相なら、今すぐ辞めるべきだ」
(本誌取材班)
※週刊朝日 2020年4月17日号