6月12日、会見で都知事選への出馬を表明した小池氏(C)朝日新聞社
6月12日、会見で都知事選への出馬を表明した小池氏(C)朝日新聞社

 6月12日、臨時会見の席で都知事選への出馬を表明した小池百合子氏。1期目を自己採点したら何点かという質問には直接答えず、「都民の皆様方にご採点いただくものかと考えております」と、かわした。

【写真】都知事選に出馬表明している主な顔ぶれは?

 だが、職員だけで17万人を抱える足元の東京都庁からは、厳しい「採点」がなされている。都政の専門紙「都政新報」が今年1月、購読者の都職員を対象に実施したアンケート調査では、小池都政1期目(2016~20年)の評価は46.4点だった。同紙の後藤貴智編集長がこう話す。

「都職員からの評価はずっと低空飛行です。就任1年目の調査でも46.6点と低かったですが、今回はさらに0.2ポイント落ちた。『都政が安定したか』の問いには89.2%が『思わない』と答えています」

 なぜ、かくも辛い評価となるのか。元東京都中央卸売市場次長で『築地と豊洲』の著書がある澤章氏は、市場移転問題などで小池氏を間近に見てきた経験からこう証言する。

「小池氏は毎日、都庁に来て、土日も仕事。でも、土日に何をしているかというと、重要度の低いイベントに都知事がわざわざ顔を出して、テレビカメラに収まりニュースで流れるとか、そういうことが結構ありました。国政進出を狙った『希望の党』がぽしゃり問題が一段落すると、今度は、『私の出番をとにかく作れ』という“おふれ”を出していました」

 当初は小池氏の掲げる「改革」に期待する面もあったという澤氏だが、パフォーマンスが先行する小池氏の姿勢に次第に失望していった。人事をめぐっても、都庁職員の中には不満があったという。

「市場移転問題で過去の責任を問われ懲戒処分を受けたうちの一人の局長が、翌年春の人事では都の外郭団体の局長クラスに格下げされた。象徴的な粛清人事でした。クルーズ船の調達にカネをかけすぎと批判を受けた際には、港湾局長が行政委員会の事務局長に格下げされています」

 とはいえ、都庁の最終的な人事権者は都知事だ。ただ、小池氏の場合はそれが度を越えているという。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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小池氏を「すごく気さく」と評する都民ファ