女流漫才師の内海桂子さんが8月22日に亡くなっていたことが28日、わかった。所属事務所がウェブサイトで発表した。97歳の大往生。90歳を超えても、現役漫才師として舞台に立ち続けた桂子師匠。その健康長寿の秘訣を探った週刊朝日2016年12月2日号の記事(当時94歳)を再掲する。夫と囲む食卓に並ぶのは、庶民的なおかずの数々だった。
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超高齢化社会が到来したいま、健康寿命を延ばすことに注目が集まっている。食生活は健康の基本。80を超えてもなお、各方面で活躍し続ける有名人の食卓から、秘訣を探った。
「桂子師匠」として幅広い世代から親しまれる、現役漫才師の内海桂子さん。94歳になった今も、月に8回は舞台に立つ。
「私ら芸人は、外へ出るとみなさんがそれはよくしてくださる。おかげさまで戦時中も慰問で三味線を弾いていたので、食べ物には困らなかった。出してもらう食事は何でもありがたい。家でも外でも、好き嫌いなんて生意気なことは言いませんよ」(内海さん)
家では夫の成田常也さんが食事の支度をする。夕食は、夜7時ごろ。取材した日は、ご飯、ワカメの吸い物、カボチャの煮つけ、金時豆、みそのしそ巻き、野菜の塩もみ、サラダ、焼き魚(サケ)と、バラエティーに富んだ献立だった。
表舞台に立ち続けるため、さぞかし食事には神経を使っているかと思えば、意外な答えが返ってきた。
「実は、7割がた買ってきたお総菜ですけどね。お吸い物も即席ですよ」(成田さん)
毎日少なくとも7、8品は並ぶが、決して豪勢なものではないという。近所に5軒ほど行きつけのスーパーがある。
「それぞれの店に、お気に入りのお総菜がある。1週間まかなえちゃう」(同)
普通の店に並ぶお総菜なので、年配の人向けにと食材をことさら細かく刻むことも、軟らかく煮ることもしていない。
「私、入れ歯は4本だけ。あとは全部、自分の歯ですよ。お煎餅も大好き」
と内海さんが言えば、成田さんもこう話す。