


六代目山口組は兵庫県神戸市灘区の本部で地元地域の住人らを交えて毎年、10月にはハロウィーン、12月は餅つき、新年には初詣を行うことが、「恒例行事」となっていた。しかし、今年からハロウィーンは中止に追い込まれた。
兵庫県議会が10月、「暴力団排除条例改正案」を成立させたからだ。
条例で暴力団が青少年に、財産上の利益、金品を与えることを禁じたためだ。つまり、ハローウィーンで配布されていた、お菓子やおもちゃが「財産」に当たるとされたのだ。
六代目山口組は2015年以降、神戸山口組などと分裂。昨年11月に神戸山口組の幹部、古川恵一組長が射殺された後、抗争が激化。それを境に特別抗争指定暴力団に指定を受けた。
「餅つきでも、子供たちにお餅やお年玉まで配っていたこともある。特別抗争指定暴力団で山口組本部が使用禁止。もし特別抗争指定が解除されても、この条例でハローウィーン、餅つきはできないだろう」(捜査関係者)
地元の一人はこの条例によるハロウィーン中止に困惑気味だ。
「暴力団はアカン。けど、ハロウィーン、餅つきは根付いていて楽しみにしていた住民もいる。阪神淡路大震災では、山口組の被災者支援が最も早くて、ありがたかった過去もあるのでいきなりダメと言われるのもね」
六代目山口組の直系「盛力会」元組長で、今は作家の盛力健児氏はこう話す。
「昔は私もハロウィーンや餅つきを主催する側だった。ハロウィーンや餅つきは地元の人たちと交流もあり、組のほうも、喜んでもらえるようにと頑張ってたんや。しかし、これだけ抗争ばっかりやっていたら、そら警察も黙ってないわ。自業自得や」
盛力氏が五代目、六代目山口組の直系組長時代は、ハロウィーンの2~3週間前から担当になった組長が、お菓子やおもちゃを仕入れ、袋詰め、仮装などの準備を子分と一緒にやっていたという。
「ハロウィーンになれば、山口組の本部の一角は、お菓子とおもちゃが山盛りになっていた。毎年、同じようなお菓子じゃアカン、今年はどんなお菓子にするか、どんな仮装をやって、子供たちを楽しませてやろうとか、組長、組員らも楽しんでいたわ」