撮影・松永卓也(写真部)
撮影・松永卓也(写真部)
撮影・松永卓也(写真部)
撮影・松永卓也(写真部)
映画「私をくいとめて」でのんと林遣都。12月18日(金)全国公開(C)2020『私をくいとめて』製作委員会</p>

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映画「私をくいとめて」でのんと林遣都。12月18日(金)全国公開(C)2020『私をくいとめて』製作委員会

 第33回東京国際映画祭で観客賞を獲得した映画「私をくいとめて」では、初めて実年齢より年上の役、“31歳のおひとりさま”みつ子を演じる。

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「年が上の役なので、普段より低めで落ち着いた声をこころがけました。その一方で、みつ子が気になる存在の多田くん(林遣都)と話すときには舞い上がったような少し高めの声にしました」

 みつ子は脳内の相談役「A」の“声”を相手にさまざまなことを決めていく。

「みつ子は自分の中で『A』と会話することで感情を処理していく女性です。『A』とのお芝居の感覚は二人芝居に近かったです。日ごろから熟考するほうなので、頭の中で二つの考えがせめぎ合います。普段お買い物をするときも、ここでお米まで買うと一人で持って帰れないぞ、お水4本だときついぞ、とか一人会議をすることがあります。お仕事のときも、頭では『無理だ』と思っているのに、口から『できます』って出ちゃうことも(笑)」

 みつ子的な要素を持つ人は、年齢性別問わず、たくさんいると思うと語る。

「そんな全国のみつ子さん、みつ夫さんにとって、自分の中の『みつ子的な部分』を肯定してもらえる映画だと思っています。誰かと見ても、もちろん“おひとりさま”で見にいくのもよしです(笑)」

 林遣都の多田くんの演技には、「燃えた」と言う。

「林さんの多田くんという役への演技のアプローチがすごくて、それを見て『ヤバい、負けられない!』と燃えました(笑)。林さんは先輩ですが、年の近い男性の演技には、闘争意識がわくというか、すごく刺激を受けるんです。そのくらい自然なリアリティをもって、多田くんとしてみつ子を受け止めてくださった。みつ子と多田くんが、同じ空間にいて同じ空気を吸っているということを実感しながら演技をすることができました。すごく素敵な方です」

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橋本愛も「燃える存在」?