スマホで読める韓国発の漫画「WEBTOON(ウェブトゥーン)」をご存知だろうか。ドラマが大ヒットした『梨泰院クラス』もこのウェブトゥーンが原作で、『六本木クラス』として日本語訳もされている。12月25日に発表された「LINEマンガ」の「2020年間ランキング」では『鬼滅の刃』が1位だったが、続く2位と3位は「LINEマンガ」オリジナルのウェブトゥーン作品で韓国発の『女神降臨』と『外見至上主義』。ここまで身近になってきているウェブトゥーンとは、そもそもどんなものなのだろうか。
日本の電子漫画は、見開きの紙媒体の形体を保ってデジタル化されているのが一般的だ。一方、ウェブトゥーンは縦スクロール方式の漫画。コマの区切りや横の制限はあるものの、縦の空間を際限なく利用した演出が可能だ。しかもカラーなので、アニメーションを見ているような感覚すらある。
韓国コンテンツ振興院日本ビジネスセンターの李咏勲(イ・ヨンフン)センター長は、ウェブトゥーンの起源は個人のホームページだったと解説する。
「1998年にクォン・ユンジュ氏が自身のホームページに公開したSNOW CAT(COOL CAT)という漫画が、ウェブトゥーンの始まりとされています」
はじめは、パソコンのモニター画面上で閲覧できるようにスクロールする方式が用いられた。後にスマートフォンが普及したことで、縦長の画面で閲覧しやすいウェブトゥーンが増えていき、韓国独自の漫画文化として形成されていった。
「例えばK-POPは、韓国固有の音楽にとらわれず、世界中の人が楽しめるようにジャンルをミックスさせています。ウェブトゥーンも同様に、韓国の新しい漫画文化として誕生したものですが、アメリカのカラーコミックや日本の劇画漫画など、多様な表現技法を取り入れたグローバル漫画文化として発展しています」(李センター長)
ウェブトゥーンの本格的なサービスの開始は2000年代に入ってからだ。韓国の漫画配信プラットフォームである「ダウムウェブトゥーン」(03年)をはじめ、「ネイバーウェブトゥーン」(04年)、「レジンコミックス」(13年)などで配信されていった。