田原総一朗氏(c)朝日新聞社
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イラスト/ウノ・カマキリ
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 バイデン新政権が誕生する米国で、その目前に起きたトランプ氏の支持者による惨事が波紋を広げている。ジャーナリストの田原総一朗氏は、トランプ氏が反デモクラシーを体現してきたことの当然の帰結だと分析する。

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「トランプ米大統領の支持者が連邦議会議事堂を襲撃した事件をめぐり、下院(定数435、民主党222、共和党211、欠員2)は13日、トランプ氏が扇動したとして、弾劾訴追する決議案を賛成232、反対197で可決した。民主党の全議員のほか、共和党議員も10人が決議案に賛成した。トランプ氏は2019年12月にも弾劾訴追されており、米国史上初めて、2回弾劾訴追された大統領となった」(朝日新聞1月14日)

 それにしても、1月6日にトランプ支持者たちが議事堂になだれ込み、銃を構える警官たちを押しのけて、約4時間占拠するなどという、米国の歴史上最悪の事件は一体なぜ起きたのか。

 この日、ワシントンのホワイトハウス前でトランプ支持派による抗議集会が行われた。この集会でトランプ氏は、今回の大統領選挙は不正の極みであると強調し、集計結果に異議を唱える共和党議員を応援するために議事堂まで行けと強く呼びかけたのである。

 実はこの日、ペンス副大統領が議事堂で選挙結果の承認手続きに着手していた。ペンス氏に対して、トランプ氏はツイッターに投稿し、「この国と憲法を守るためになすべきことをする勇気がない」と批判していた。ということは、ペンス氏の選挙結果の承認手続きを認めていない、そんな行為など粉砕せよ、とあおっていたことになる。

 もっとも、トランプ支持者たちが実際に議事堂になだれ込めば、当然大事件となり、トランプ氏の再選はもちろん、4年後の復活も不可能になることは、トランプ氏自身、百も承知していたはずである。

 トランプ氏支持の幹部たちは、実は左翼勢力がトランプ支持者たちの間に紛れ込んでいて、トランプ氏を失脚させるために彼らが議事堂になだれ込んだのだ、と述べているが、FBIは左翼勢力が紛れ込んでいたことは認めていない。

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