保釈された元法相の河井克行被告(C)朝日新聞社
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河井案里氏をエスコートする菅首相(C)朝日新聞社
河井案里氏をエスコートする菅首相(C)朝日新聞社

 2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件での逮捕以来、8か月ぶりに保釈されて以降初めて、東京地裁に姿を現した元法相の衆院議員河井克行被告(57)。河井被告はスーツに議員バッジを着けて出廷した。

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 従来の被告席ではなく、弁護人の隣に座り、熱心にメモを取っていたが、その薬指には指輪が光っていた。河井被告と親しかった自民党議員がこう話す。

「参院選広島選挙区での買収事件ですでに有罪判決を受けた妻で元参院議員の案里氏とは離婚したという情報も流れていたが、ガセ。離婚していないと思います。克行被告がまだ拘置所で囚われの身だった時に、先に保釈されていた案里氏は、漫画本などをわざわざ差し入れしていたそうです」

 裁判で無罪を主張する克行被告だが、案里氏の有罪判決が確定しており、厳しい状況だ。23日からは克行被告の被告人質問が始まる。

「自民党から参院選挙で案里氏の陣営に自民党から拠出された1億5千万円もの選挙資金について法廷で暴露されないか、心配です」(自民党幹部)

 案里氏の参院選では、克行被告の指示で、選挙や政党ビラの配布を広島県全戸に4度、行っている。案里氏の陣営にいた関係者は話す。

「1回のビラ配布相場が3000万円前後。4回やったので1億2千万円。買収でバラまいたのが2900万円。それだけで1億5千万円の大半が消えてしまっている。克行被告が自民党から本当にいくらカネをもらったのか、本人しかわかりませんよ」

 案里氏の法廷でも1億5千万円の行方が聞かれたことがあった。当然、克行被告にも同じ質問が出るはずだ。今年中には、衆院選が行われる。克行被告は自民党から離党しているため、地盤の衆院広島3区は公明党の斉藤鉄夫副代表の出馬が決まっている。もう帰る場所がなくなってしまった。唯一のよりどころは、妻の案里氏だ。しかし、克行被告の保釈は共犯者である、案里氏とは面談禁止の条件付きだという。

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獄中に漫画を差し入れた妻の案里氏