『SNL』のピート・デヴィッドソン、Netflix製作の故ジョーイ・ラモーン伝記映画の主役に決定
『SNL』のピート・デヴィッドソン、Netflix製作の故ジョーイ・ラモーン伝記映画の主役に決定
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 『サタデー・ナイト・ライブ』(SNL)のレギュラー・メンバーとして知られるコメディアンのピート・デヴィッドソンが、Netflix製作の伝記映画『I Slept With Joey Ramone』で、故ジョーイ・ラモーンを演じることが明らかになった。デヴィッドソンは構成と製作にも関わる。

 製作が発表された2021年4月15日は、ジョーイが亡くなってからちょうど20年の命日だった。米ニューヨークの伝説的パンク・バンド、ラモーンズの創設メンバーでフロントマンだった彼は、リンパ腫との7年間の闘病の末、49歳で死去した。

 デヴィッドソンと監督のジェイソン・オーリー(Jason Orley)は、ジョーイの弟であるミッキー・リーが2010年に出版した同名の回顧録を基にトリートメント(本書き)をまとめ、NetflixとSTXfilmsはこれを軸に開発と製作を進める。ジョーイのエステート(遺産管理団体)も協力しており、デヴィッドソンとオーリーはデヴィッド・スピーゲルマン(David Spiegelman)とローリー・ローズガーテン(Rory Rosegarten)と共にエグゼクティブ・プロデューサーも務める。

 ジョーイ・ラモーンことジェフリー・ロス・ハイマンは、幼馴染の故ダグ・コルヴィン(ディー・ディー・ラモーン)と故ジョン・カミングス(ジョニー・ラモーン)と、ラモーンズを結成した。バンド名でもあり、メンバーが全員名乗っている“ラモーン”とは、ザ・ビートルズのポール・マッカートニーが使っていた芸名Paul Ramonに由来する。

 最初はドラムを演奏していたジョーイは、早々にヴォーカルに転向し、その198cm(6フィート6インチ)の細身な長身で片足を一歩前に出し、片手でマイクを握り締めながら唸るように歌う姿は、唯一無二の存在感を放っていた。ローズ・カラーのサングラスをかけた顔は長い髪に覆われ、必ず革ジャンとダメージ・ジーンズというスタイルを貫き通した。

 ラモーンズは、結成した1976年から1996年に解散するまで、「アイ・ウォナ・ビー・シディテッド/I Wanna Be Sedated」、「ブリッツクリーグ・バップ/Blitzkreig Bop」、「シーナはパンクロッカー/Sheena Is a Punk Rocker」、「ロッカウェイ・ビーチ/Rockaway Beach」、「ロックンロール・ハイ・スクール/Rock n' Roll High School」などの、今やパンク・スタンダードとなっている人気曲を世に広め、何度も来日するなど世界中をツアーしたにもかかわらず、ジョーイが切望していた全米チャート入りは一度も叶わなかった。

 バンドのラスト・コンサートは、米ハリウッドのThe Palaceで開催され、ライブ・アルバム『We’re Outta Here!』としてリリースされた。このライブには、モーターヘッドの故レミー、ランシドのティム・アームストロングとラーズ・フレデリクセン、パール・ジャムのエディ・ヴェダー、サウンドガーデンの故クリス・コーネルとベン・シェパードらが駆けつけ、ゲスト出演した。