田原総一朗・ジャーナリスト (c)朝日新聞社
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イラスト/ウノ・カマキリ
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 ジャーナリストの田原総一朗氏はローカル企業が日本を救う要になる理由を解説する。

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 現在、日本経済の衰退が大問題になっている。

 1995年から2019年までの、およそ四半世紀の中国の経済成長はGDPが7.8倍。ASEANも2.9倍に伸ばし、韓国が2.7倍。対して日本は1.2倍にとどまっている。

 また、世界に占める日本経済の割合は、1999年には16%だったが、2019年には6%にまで下降し、一方、中国は6%から16%へと一気に突き抜けてきている。

 さらに、1995年、日本は1人当たり名目GDPで主要国の中で首位であったが、2019年では米国、ドイツに抜かれ、シンガポール、香港の後塵(こうじん)を拝し、台湾、韓国との差も急速に縮まっている。

 そして、1989年には株価の時価総額で世界の上位50社の中に、日本企業が32社入っていたのだが、現在はトヨタ1社だけで、しかも36位である。また、スイスのビジネススクールIMDの世界競争力ランキングでも、日本は2016年には26位だったのが、20年には34位に落ちている。

 こうした日本経済を再生させるカギはあるのか。

 それを見事に示したのが、エコノミストの冨山和彦氏である。日本再生のカギはローカル企業の活性化である、と明言した。

 地方には仕事がない。だから仕事を求めて地方の人々は大都市に出ていく。その象徴が東京一極集中である。だが、それも限界だ。

 そこで冨山氏は、現在は人が集まれば仕事が生まれる時代であり、地方が衰退しているのは人が出ていってしまうからだ、と言うのである。これは衝撃的であった。どういうことなのか。

 冨山氏の説明では、かつてはいわゆる「ものづくり」がローカル企業の主要だったが、サービス業が7割近くを占めるようになり、その多くが地域密着型企業だという。

 ローカル企業の多くを占める対面型、労働集約型のサービス産業は、企業規模よりも顧客密度が大事なビジネスである。そこで漫然と規模を追ってしまうと顧客分布や店舗分布が薄く散らばってしまい、かえって業務効率が悪くなる。

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