アルバム『愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~』のジャケット。モデルはアインシュタインの末裔であるマーク・アインシュタインさん
アルバム『愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~』のジャケット。モデルはアインシュタインの末裔であるマーク・アインシュタインさん

 自分の気持ちは案外わからないことが多いけど、上野を見ているとよくわかる。上野の退院祝いをした時に、「神様からもらった2つ目の命、やりたいことをやろう。何かやりたいことないのか?」と聞いたら、あいつは「ライブ」って言ったんだよ。当時は体もスムーズには動かないし、言葉もうまくしゃべれなかった。でも、彼の中ではもう一度ステージに立つこと以外に、リハビリと向き合って頑張れる気がしなかったんじゃないかな。音楽をやっている時が自分の人生で一番ワクワクする時間で、生きてることを実感できたから。俺の場合も気持ちは同じだと思う。

――前作である5枚目のアルバム作成時は、森友さんは20代。50代になった今、創作の源泉になっているものは変わりましたか。

 そこは変わらないね。ただ、今回のアルバムにおいて大きく違うのは、パンデミックの中で曲作りしていたこと。このパンデミックの中で何を思い、何を感じ、何を歌にしたいんだろうということをすごく考えた。考えすぎて、最初の数カ月は曲ができなかったんだよね。曲ができるまでに半年ぐらいくすぶっていた。

 そんな中で思い出したのは、今回のタイトルチューンになっている、アインシュタインからの伝言。晩年のアインシュタインは、娘に宛てた最後の手紙を残していた(諸説あり)。手紙には、「いつか人類は愛の爆弾を爆発させなきゃいけない時がくる」「人類は愛をつないでいけば、どんな困難も乗り越えられる」といったことがつづられていた。読み直してみたら、愛の力を発揮しなければいけないのは「今だ」と確信した。このパンデミックの中でこそ、このメッセージが意味を持つものだと思うし、アインシュタインの伝言を届けるパイプ役になりたいと思った。

――ジャケットを飾っているのは、アインシュタインの末裔であるマーク・アインシュタインさん。彼とは釣り仲間だそうですね。

 彼とは数年前にあるパーティーで出会った。「マークって何が好きなの?」って聞いたら、魚釣りって。

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マーク・アインシュタインさんとの親交