大阪市では厚生労働省の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム「HER-SYS(ハーシス)」へ入力遅れが度々、指摘された。
3月10日には遅れは改善されたこととなっていたが、混乱は収束していない模様だ。SOSサポートセンターは、ハーシスの登録状況で、入院調整、宿泊療養や配食サービスなどを実施している。だが、今も新規感染者から問い合わせがあっても、ハーシスに登録されていなければ、サポートが受けられないケースもあるという。
それを解消するため、新規感染者から連絡があると、SOSサポートセンターで「仮登録」して、入院調整、宿泊療養に対応している。ハーシスの登録はその後になるが、「仮登録」を消さず、ハーシスと2重登録になるトラブルが相次いでいるという。
「本来はハーシスに登録されれば、仮登録を削除しなければならない。しかし、今も保健所には電話がつながりにくく、SOSサポートセンターに電話が殺到。忙しいので削除まで手が回らないのです。それが証拠に、SOSサポートセンターは大阪以外にもコールセンターを立ち上げて、人員を増やしている。入院調整申請が900件の実数は、整理して半分以下になった思いますが、それでも300~400人はいたはず。サポート現場にいて新規感染者がとても心配です」
SOSサポートセンターを設置している大阪府を取材するとこう回答した。
「2重登録があったので、削除を求めるべくこのような発信をした。入院調整が900件とあるがそこまで停滞していたわけではない。今は、2重登録や現場の混乱は大丈夫です」
冒頭の大阪府幹部はこうぼやく。
「病床ひっ迫による死者数の増加など吉村知事のコロナ対策の失敗は明らかです。パフォーマンスがいつも先行し、それがコロナの現場、株式市場にまで影響を及ぼす。後始末を命じられるのは府の職員で、みんな完全に疲弊しています」
(AERAdot.編集部 今西憲之)