ヘンリー王子(中央)と妻のメーガンさん(左)/2022年12月6日、ニューヨーク(写真:ロイター/アフロ)
ヘンリー王子(中央)と妻のメーガンさん(左)/2022年12月6日、ニューヨーク(写真:ロイター/アフロ)
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 チャールズ英国王の次男ヘンリー王子の回顧録『スペア』が話題を呼んでいる。従軍中に敵を25人殺したと主張するなど、王子への好感度は最低に落ち込んだ。AERA2023年1月23日号の記事を紹介する。

【写真】発売されたばかりのヘンリー王子の回顧録『スペア』を手にする人

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 今回の『スペア』で最も非難されたのが、王子のイスラム主義勢力・タリバンへの殺害行為に関する記述だろう。王子は英軍に10年間所属、その間に2回アフガニスタンに派遣された。その時に戦闘員25人を殺害した。タリバン兵を「チェスの駒」にたとえてもいる。

 これは王子、家族、英王室、英軍、そして英国人全体を危険にさらす可能性が高まる。タリバンも「あなたが殺害したのはチェスの駒ではなく人間で、帰りを待つ家族もいる」と声明を出した。「戦争犯罪として裁判にかけるべきだ」ともいう。

 あまりの批判にヘンリー王子がテレビのトークショーに登場した。そして「殺害を自慢などしていない」と否定。戦場から無事に帰国しても、悪夢に悩まされ罪悪感に苦しめられて精神を病んで自殺する兵士を救うためだと弁解した。会場には退役軍人が来ていて、拍手がわいた。王子は、つらい経験は言葉に出して共有することで軽減されると言いたかったのだろう。理解はできるものの、やはり殺害人数を活字で残すのは賢明とは言えない。告白するなら内輪にとどめておくべきだったとされた。

■大切な日を間違える

 また、文中に誤りが見つかった。ウィンフリーさんとのインタビューでは、結婚式の日取りなど間違いや大げさな物言いが17点見つかったとされた。今回まず指摘されたのが、エリザベス皇太后の死去の伝え方だった。『スペア』によると、02年3月30日に当時在学していたイートン校で知らされた。天気の良い暖かい日だったとする。しかし、その日に王子は父と兄とスイスにスキーに行っていた。美しい雪景色を背景にした3人の写真が残っている。大切な日を間違えることは、その他の記述についてもミスがあるのではないかと思わざるをえない。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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