まさに時流を読んでの意図的な変化だったようだが、同インタビューでは「全体をまとめるという役割を意識されるようになったか?」という質問には、「この人の企画を成立させる」「水と油の性格の人たちを同じ舞台に立たせて円滑に回す」など、自身を“成立屋”“潤滑油”と例えており、この時点で既にMC業を視野に入れて動いていたことがうかがえる。

「麒麟・川島明は2月に放送された自身のラジオ番組で、ゲストで来た吉村のことを『各局、マジ吉村の取り合いらしい』と絶賛。過去に川島が吉村の代役としてサブMCを担当したとき、吉村が打ち合わせやリハーサルのため本番3時間前に入っていることを知り驚いた、と明かしていました。3月に公開されたAマッソのYouTubeでは、『お笑いのプロではあるがテレビのプロではない』『だからこそ素材は提供するが、調理(編集)はプロのテレビマンに任せるべきだ』という持論も展開。また、自身の出演番組を見ると『失敗したな』という気持ちがよみがえってきて、次に行ったときに変な迷いが出るため自身の出演番組は見ないようにしているそうです。そうした仕事に対する姿勢があるからこそ、スタッフからの信頼も厚いのではないでしょうか」(テレビ情報誌の編集者)

■「不快じゃない」タイプのMC

 一方、MCとしてもうひとつ重要な要素は「好感度」だろう。これについてはどうか。

「『ポップUP!』の2回目の出演のとき、前週の番組終了後にエゴサーチをした結果について『吉村うぜえ』と書かれていて『酷評でございました』と、自虐的に紹介していたのも印象的です。それでも、番組を一生懸命やっていることは見ていて伝わるので、好感が持てます。吉村の場合、『吉村がMCだから見よう』ではなく、『不快じゃないのでチャンネルは変えない』というタイプのMCだと思います。意外と見た目も清潔で、スタッフから愛されていて、共演者への気遣いもできる。MCとしては前に出ないなど、引っ張りだこの東野幸治に似ている部分も散見されます。安心感が求められる今の時代にはピッタリで、ますます重宝されていくでしょう」

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吉村は「努力の秀才」