自民党本部前を通過する安倍晋三元首相の棺(ひつぎ)を乗せた車=2022年7月12日午後、東京・永田町、朝日新聞社へりから
自民党本部前を通過する安倍晋三元首相の棺(ひつぎ)を乗せた車=2022年7月12日午後、東京・永田町、朝日新聞社へりから

 一方で、外遊先での立ち居振る舞いが常に堂々とされていることも印象的でした。何がそうさせていたのか。私は、安倍さんの中にある「強い信念」だったと思っています。

 安倍さんは拉致問題に関しても、経済に対する考え方も、政治家として終始一貫されていました。とくに経済については、いわゆるリフレ派といいますか、金融緩和によって経済を活性化させていく。ここにかける信念の固さ、強さはすごかった。そして活性化の背景にある「雇用の拡大」を非常に重視される姿勢からも、「信念の政治家」を感じました。

 確固たる信念があると、人は堂々とできる。安倍さんは「自分の考え方はこうなんだ」というものをしっかりと持っておられたから、どこに行っても堂々と、揺るがなかった。リオデジャネイロでオリンピックを東京に引き継ぐ際にマリオの扮装で会場に現れるような行動も、日本のアニメの魅力を世界に印象付けるためなら、やるんだと。そこも信念です。そこが、安倍さんの功績の一つである「インバウンド拡大」にもつながり、「経済を強くする」ことの実現にも結び付いた。そう感じます。

 他にも、さまざまな功績を残されました。後年、歴史が更に評価していくと思います。私は、同時代を生きた者として、本当に立派な、尊敬すべきリーダーだったと考えています。私もローソンという企業の、一人のリーダーとして、あらためて「自分の信念を強く持つ」ということを胸に刻み、職務を果たさなければと思いを新たにしています。そして、安倍さんが持たれていた「強い国づくり」という信念の一翼を、微力ながら、経済人の一人としてこれからも担っていかなければ。心からの哀悼の思いとともに、そう考えています。

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