竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】ひろい! 実証実験中のローソン一宮東浪見店の駐車場はこちら

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 読者の皆さんは「車中泊」という言葉をご存じでしょうか。最近、「ペットと一緒に気兼ねなく過ごしたい」「食事の時間に縛られたくない」など旅行ニーズが多様化。ホテルなど宿泊費の高騰によりミニバンや軽自動車などにそのまま泊まる「車中泊」の需要が高まっているそうです。

 そんな状況をうけ、ローソンでは千葉県6店舗の駐車場で、車中泊施設「RVパーク」の実証実験を開始しました。

 RVとは「レクリエーショナル・ビークル」の略で、アウトドアやレジャーを楽しむキャンピングカーなどのこと。車中泊の需要の高まりで、国内の保有台数は右肩上がりに増えています。その一方で、車中泊を認めている場所は不足している状況がありました。

 コンビニ初の試みです。ローソンの駐車場に車を止めて、そのまま泊まってしまっていいだろうか。そんな問い合わせは実はこれまでにもいただいていたんです。考えれば、車中泊する人にとっては、夜間お店が開いているので安心感があります。またトイレやごみ箱が設置され、飲み物など何か欲しいものがあればすぐに買いに行けるなど、車中泊できる場所としてコンビニは利便性が高く、うってつけなんです。

 そしてコンビニの従業員にとっても、ただ一晩中止めてある車だと「不審車かも」などと不安になりますが、車中泊の予約を取っていただいた車なら心配せず、駐車場の有効利用にもつなげられます。

実証実験を実施している、千葉県のローソン一宮東浪見店の駐車場
実証実験を実施している、千葉県のローソン一宮東浪見店の駐車場

 東京都内などと違い、比較的大きな駐車場を備えた店舗の多い千葉県で、まずは実証実験開始となりました。夏休みシーズンにはかなり多くの予約をいただき、「コンビニの駐車場で車中泊できたらなあ」と思っていた方が多かったのだなと感じています。

 しばらくは実証実験を続けて、出てきた課題を整理し、皆様がより安心して便利に使っていただけるよう、改善していければと考えています。

AERA 2025年9月1日号

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