フラミンゴはなぜ赤い? ウサギの耳が長い理由は? AERA with Kids編集部に子どもたちから集まった動物・生き物の疑問について、『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)監修でおなじみの動物学者・今泉忠明先生に回答してもらいました。

MENU チョコレートが食べられる動物はいる? うさぎの耳が長いのはどうして? 日本でラッコを増やすことはできる? 黒や青のフラミンゴはいる? 動物のパーツを人間にたとえると?

チョコレートが食べられる動物はいる?

Q.チョコレートがすきなんですが、チョコレートが食べられる動物はいますか?(小5、ほっち)

A.チョコレートは人間にとってはおいしい食べ物ですが、動物には有害です。

 特にイヌやネコ、ウサギ、フェレット、鳥などなど多くの動物にとって、チョコレートは危険とされています。チョコレートに含まれる「テオブロミン」が原因で、中毒症状を引き起こすことがあります。最悪の場合は死んでしまいます。野生動物の多くにとってもきっと有害だと思われます。

 犬や猫などペットに与える場合は、テオブロミンを含んでいないイヌ用やネコ用のチョコレート風の商品を選びましょう。

うさぎの耳が長いのはどうして?

Q.うさぎはどうして耳が長いのですか?木の枝とかにひっかかったり、危なくないのかな、と心配です。 (小2、むつみ)

A.すべてのウサギの耳が長いわけではありません。

 いちばん原始的なナキウサギの仲間はハムスターのように小さくて丸い耳です。ふつうの大きさの耳ですね。少し進化した、たとえばアマミノクロウサギのようなものは森にすんでいて、少し長い耳をしています。音をよく聞くのに役立ちます。穴を掘って巣を作りますが、穴にもぐるときは耳を後方へ寝かせます。

 ウサギの仲間は草原で進化して、速く走ることができるようになりました。走ると体が熱くなり、人間は汗をかいて体を冷やします。ウサギは汗をかきません。体の水分を大切にする仕組みが発達していて、砂漠でも生きることができます。ウサギが体を冷やす仕組みは、走ると風が当たる耳から体の熱を逃がす方法です。耳にきている血液を冷やして、その血液が体の中に戻って行って、体を冷やすのです。耳が長いほど体をうまく冷やすことができます。草原にすむジャックウサギなどはとても長い耳をしています。

 耳が長いことによって木の枝などに引っかかることもあります。でも耳が傷つくだけですから食べられちゃうよりは良いですよね。実際、野生のウサギの中には耳が破れているものもいます。

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今泉忠明
動物学者 今泉忠明
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