みなさま、明けましておめでとうございます。2017年の幕開け、どのようにお過ごしでしょうか?
今回も前編【ロード編】に続き、箱根駅伝の注目スポットの後編【山編】をお送りしていきます。
後編でご紹介するのは「山」が中心となる区間です。
箱根駅伝ならではのコースが「山上り」「山下り」。平地と山とでは気温の差が大きく、10℃くらい差がついてしまうこともあります。
体温調節の難しさも感じながら、箱根の山を攻略しようとするランナーたち。山ならではの注目ポイントをご紹介します。

ランナーを苦しめる険しい箱根の山
ランナーを苦しめる険しい箱根の山

ロードと山を感じられる「小田原」(往路4区/復路7区)

ロードと山の両方を感じるとることができるのが、往路4区、復路7区でしょう。
往路では、4区のランナーが平塚中継所でタスキを受けます。
しばらくは3区同様に海沿いを走りながら、大磯、二宮など市街地を走っていきます。
しかし、4区の終盤小田原城を過ぎ市街地を抜けると、緩やかな上り坂へとコースが変化します。
15km付近を過ぎると、箱根の山からの冷たい風を感じるのだとか。小田原付近は山へとつなぐ大事なポイントとなります。
さらに、今年は4区の距離が昨年より2.4km延長されたこともあり、勝負の鍵となるポイントであることは間違いないでしょう。
復路7区は山から一気に駆け下りてきた6区の選手からタスキを受け取ります。最初の5kmは6区の選手同様に下りのコースのため、ペース配分が難しい区間といえるでしょう。

小田原市街地のシンボル「小田原城」
小田原市街地のシンボル「小田原城」

箱根を代表する名所「富士屋ホテル」(往路5区/復路6区)

小田原中継所でタスキを受けた5区のランナーがいよいよ箱根の山へと挑みます。
小田原中継所から国道1号の最高地点の高低差はなんと840m! これまで「山の神」と呼ばれる名選手が箱根駅伝の歴史を彩ってきました。
この上りを制することができるかどうかは、そのランナーが上りのコースの対応力を備えているかにもかかっています。
そんな箱根の山、最大の難所が9.4km地点の富士屋ホテル前から13.2km地点の恵明学園までの急な坂。3.8kmの間に249mの高低差を上らなければいけません。
急な坂の間にある富士屋ホテル、小涌園前、恵明学園前は箱根駅伝ファンが多く集う応援スポットでもあります。コアな箱根駅伝ファンなら一度はレース期間に富士屋ホテルに泊まりたいと願うことでしょう。
やはり、ただでさえ名門ホテルである富士屋ホテルですから箱根駅伝の日に予約を勝ち取るのは至難のわざ……。ですが、一年はチャレンジしてみたいものですね!

箱根駅伝ファンの憧れ「富士屋ホテル」
箱根駅伝ファンの憧れ「富士屋ホテル」

箱根駅伝の象徴「芦ノ湖」(往路5区/復路6区)

往路のゴール、復路のスタートとなる芦ノ湖駐車場。
箱根には、往路優勝、復路優勝もあるので、まずは往路を制することを各校が目標としています。往路は歓喜のゴールに沸く芦ノ湖駐車場が、復路では緊張感あふれる静けさの中でのスタート……とその雰囲気が一変します。
さらに、復路スタートで待ち受ける試練が「くり上げスタート」。
交通規制などの理由で、6区ではトップの大学がスタートしてから10分以上タイムが離れた大学はくり上げ一斉スタートとなります。
まず、芦ノ湖駐車場で1回目のくり上げスタートが行われますが、続く区間でもくり上げスタートが実施されるため、タスキをつなぐことのできない大学も出てきてしまいます。
何としてでもタスキをつなぎたい……、そんな想いから、まずは芦ノ湖駐車場をスタートする際に、いかにトップに離されずついていくかが重要です。
そして、山上りが過酷なのは想像がつきやすいのですが、実は山上り以上にダメージが大きいのは「山下り」といわれています。スピードが出る下りでは足にかかる衝撃も相当なもの。
ブレーキをかけすぎてもタイムが伸びないため、山下りも毎年「スペシャリスト」が配置される重要な区間です。
――「花の2区」「山の神」など華やかな区間に注目が集まりますが、駅伝はすべての区間のランナーに大きな重責がのしかかります。箱根を走れなかったランナーのためにも、エントリーされたランナーは必死の想いでタスキをつなぎます。
箱根のみどころはたくさん。ぜひ、みなさんも自分なりの注目ポイントを探してみてください。