中学入試では近年、社会だけでなく理科でも「身近な物事」からの出題が増えています。実際にどのようなテーマが出題されるのでしょうか? 首都圏を中心とした100校の入試問題を分析した、文教大学地域連携センター講師の早川明夫さんが解説します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2025年6月号』(朝日新聞出版)から紹介します。
【問題】25年度に中学入試で出題された「身近な物事」からの出題例はこちら!(全2枚)身近な物事にも疑問を!
近年の際立った傾向の一つが、身近な物事を題材にした出題の増加です。この傾向は社会科だけでなく理科でもいえます。今年度(2025年度)の問題から主な例を挙げてみます。分析した学校は首都圏を中心とした100校です。
〈社会科〉
・地震(能登半島地震、南海トラフ地震など)
=明大明治、聖光学院、立教女学院など24校
・新札発行(肖像の人物名とその業績など)
=慶應中等部、慶應普通部、頌栄など16校
・米や卵などの価格高騰(米不足の理由など)
=湘南白百合、横浜共立、成城学園など4校
・ブロッコリーが特定野菜に(産地など)
=青山学院、世田谷学園、普連土など
・郵便料金値上がり(新しい切手の金額など)
=慶應普通部、清泉女学院
・ホームドア=開智
・夏が旬の作物=女子学院
〈理科〉
・地震(プレート、震源の求め方など)
=栄東、洗足学園、城北など15校
・電気代、ガス代の値上がり(料金計算など)
=桜蔭、学習院中等科、フェリス女学院など5校
・虹=芝、開智、城北、明大明治など
・桜の開花目安(2月1日以降の毎日の最高気温の合計が600℃で開花)=開智、桐朋
・素数ゼミ=麻布、青陵など4校
身の回りの物事やさまざまな社会現象・自然環境に興味・関心をもち、「なぜ」「どうして」を念頭において物事を探求する習慣をつけましょう。科学は疑問から始まります。