東京商工リサーチは、1億円以上の報酬を受け取った役員の人数が多かった上場企業も集計している。それによると、1位はプライム上場の日立製作所で34人にのぼった。前年(20人)の1・7倍に増加し、開示制度が開始されて以降、これまで最多だった15年3月期および16年同期の三菱電機の23人を大幅に上回り、最多を更新した。
日立の役員報酬の最高額は、クラウディオ・ファキン執行役専務(7月退任)の9億600万円。次いで、アリステア・ドーマー執行役副社長の8億7800万円、小島啓二執行役社長兼CEOの6億700万円と続く。このほか、報酬額4億円台が2人、3億円台が1人、2億円台が4人、1億円台が24人だった。
欧米と比べると見劣り
2位は、三井住友フィナンシャルグループの17人(前年6人)、3位は伊藤忠商事(同14人)と三菱UFJフィナンシャル・グループ(同9人)が並んで14人だった。
高額化が進む日本企業の役員報酬だが、それでも欧米と比べると見劣りする。
大手コンサルティング会社ウイリス・タワーズワトソンによると、売上高1兆円を超す大手企業のCEOなど経営者の22年度の報酬を調べたところ、中央値は、日本で2億7千万円だった。一方、米国は17億6千万円、英国、ドイツ、フランスも7億円台で、調べた5カ国の中では日本の少なさが際立つ。