■永野芽郁コロナ感染のピンチを救う
現在は、『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)に交番所長役で出演中。主演である永野芽郁が新型コロナに感染し、本編を2週にわたって延期するという緊急事態に見舞われたが、その窮地を救ったのがムロだったという。民放ドラマ制作スタッフはこう証言する。
「主演の永野芽郁さんがコロナで撮影から離脱するとなって、現場は騒然となったようですが、ムロさんが潤滑油となって現場をうまくまとめきったと評判です。2週にわたって『特別編』を放送して穴を埋めていましたが、ムロさんが得意とするコント調のやりとりを新撮シーンとして急ピッチで撮りおろし、ドラマファンからの評判も上々でした。そもそもムロさんは舞台上がりの人なので、このような急なトラブルには慣れてるというか、ショー・マスト・ゴー・オンの精神にあふれている人。裏方の気持ちも非常にくみ取ってくださるので、また仕事をしたくなる人が出てきて当然でしょう」
現場でのムロは、若い役者の前でも偉ぶらず、緊張をほぐしてくれるという。そして、いざカメラが回れば時に主演を食ってしまうほど圧倒的な芝居をする。
「いろんな現場でムロさんの話を聞きますけど、やはり優しさの塊みたいな人なんです。ムロさんが現場にいるから場が和むし、盛り上がったりもする。今回の『ハコヅメ』のコロナ騒動は同業者として身が引き締まる思いですが、ムロさんがいたから乗り切れたという側面は多分にあったと思いますね」(前出のスタッフ)
TVウオッチャーの中村裕一氏はムロツヨシの役者としての魅力をこのように分析する。
「人をくったようなその芸名から、初めは何をやるのかわからない飛び道具的な存在として注目を集めていたと思いますが、豊富な人生経験からにじみ出る確かな演技力は映画通やドラマ通からは早くから高い評価を受けていました。彼の魅力は、複雑な家庭事情やエピソードも笑い話に変えて話すことのできる“人間力”の強さ。良い人の役もいいですが、ハングリーさをむき出しにした泥臭い役や、静かなる狂気を秘めた役なども見てみたい。テレビドラマに出るようになり、だんだんアクが抜けて落ち着いてきている印象があるかもしれませんが、お茶の間のイメージが薄まっただけで、本質的なハングリーさは何も変わっていないはずです」
たしかな演技力と人間力を携えて、主演俳優にまで上り詰めたムロツヨシ。しばらくは連ドラの出演記録も更新し続けそうだ。(藤原三星)