【米ビルボード・ソング・チャート】アリアナ・グランデ「yes, and?」初登場1位、21サヴェージTOP10に2曲送り込む
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 アリアナ・グランデの新曲「yes, and?」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 「yes, and?」は、2024年3月8日にリリースが予定されている7枚目のスタジオ・アルバム『エターナル・サンシャイン』からのリード・シングルとして、1月12日に発表された。

 Hot 100での首位獲得は、2023年3月11日付でトップに立ったザ・ウィークエンドとのコラボレーション「ダイ・フォー・ユー」以来約1年ぶり、リード曲としては「ポジションズ」(2020年11月7日付)以来約3年ぶりで、以下に続く通算8曲目のタイトルとなる。

7週「thank u, next」(2018年)※初登場1位
8週「7 rings」(2019年) ※初登場1位
1週「スタック・ウィズ・ユー with ジャスティン・ビーバー」(2020年)※初登場1位
1週「レイン・オン・ミー with レディー・ガガ」(2020年)※初登場1位
1週「ポジションズ」(2020年)※初登場1位
1週「セイヴ・ユア・ティアーズ with ザ・ウィークエンド」(2021年)
1週「ダイ・フォー・ユー with ザ・ウィークエンド」(2023年)
1週「yes, and?」(2024年)※初登場1位

 上記のとおり、初登場1位獲得は通算6曲目で、女性アーティストでは同6曲をもつテイラー・スウィフトと並ぶ最多記録を更新した(全アーティストのトップはドレイクの9曲)。

 また、女性ソロ・アーティストの首位獲得数では、同8曲をもつビヨンセと同率の8番目に記録を更新している(全アーティストのトップはザ・ビートルズの20曲)。

19曲 マライア・キャリー
14曲 リアーナ
12曲 マドンナ
11曲 ホイットニー・ヒューストン
11曲 テイラー・スウィフト
10曲 ジャネット・ジャクソン
9曲 ケイティ・ペリー
8曲 ビヨンセ
8曲 アリアナ・グランデ

 Hot 100史上1,162曲目の1位獲得、74曲目の初登場1位を果たした「yes, and?」は、今週の集計期間(2024年1月12日~1月18日)にストリーミングが2,720万回、エアプレイが2,480万回、セールスは53,000(うちデジタル・ダウンロードが41,000)をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは通算5曲目、デジタル・ソング・セールス・チャートでは9曲目の1位を獲得。エアプレイ・チャートでは28位に初登場した。

 高セールスを記録したデジタル・ダウンロードには、オリジナル・バージョンの他エクステンデッド・ミックスやアカペラ・バージョン、インストゥルメンタルなど計14種類のバージョンがあり、集計週後半には69セントで購入可能だった。

 ジャンル別では、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートで「ブレイク・フリー feat. ゼッド」(2014年 / 9週)、 「レイン・オン・ミー with レディー・ガガ」(2020年 / 2週)に続く3曲目の首位を獲得している。

 「yes, and?」は、アリアナが音楽プロデューサーのマックス・マーティン、イリア・サルマンザデと共作した曲で、プロデューサーとしてマックス・マーティンは通算24曲目の首位を獲得し、23曲で並んでいた故ジョージ・マーティンを抜き歴代トップに立った。

24曲 マックス・マーティン
23曲 ジョージ・マーティン
18曲 ドクター・ルーク
16曲 ジミー・ジャム
16曲 テリー・ルイス

 また、ソングライターとしての首位獲得数は26曲目に更新され、同26曲をもつ故ジョン・レノンと同率の2番目に記録を塗り替えている。

32曲 ポール・マッカートニー
26曲 ジョン・レノン
26曲 マックス・マーティン
18曲 マライア・キャリー
18曲 ドクター・ルーク

 マックス・マーティンがプロデューサー、ソングライターとして制作した曲が初めて1位を獲得したのは、ブリトニー・スピアーズのデビュー曲「ベイビー・ワン・モア・タイム」が達成した1999年1月30日付で、約25年間にわたりヒット曲を輩出し続けている。

 もう1人の制作者であるイリア・サルマンザデは、2022年10月29日付で1位を獲得したサム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」に続く2曲目の首位獲得で、アリアナはソングライターとして8曲目、プロデューサーとしては「yes, and?」で自身初の首位を獲得した。

 タイトルに「YES」が含まれる曲が1位を獲得するのは、「yes, and?」がHot 100史上初のタイトルで、これまでの最高位はテリー・デサリオとK.C.による「イエス・アイム・レディ」が1980年3月に記録した2位だった。

 なお、イングランド出身のロック・バンド=イエス(Yes)は、1984年1月に「ロンリー・ハート」で1位を獲得している。また、タイトルに「No」が含まれる曲では、ザ・ローリング・ストーンズの「サティスファクション(アイ・キャント・ゲット・ノー)」(1965年)からアリシア・キーズの「ノー・ワン」(2007年)まで、これまで通算10曲が首位を獲得している。

 「yes, and?」のデビューにより、ジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」は先週の1位から2位にダウンしたが、今週6,700万回(15%増加)を記録して、エアプレイ・チャートでは「ファースト・クラス」(2022年 / 4週)に続く2曲目の首位を獲得した。その他、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートではそれぞれ10週目の首位を獲得している。

 テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」も2位から3位、テイト・マクレーの「グリーディー」も3位から4位にそれぞれワンランクダウンして、今週5位には21サヴェージの新曲「Redrum」が初登場した。

 「Redrum」は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場した新作『アメリカン・ドリーム』の収録曲で、本作からは「Nee-Nah with トラヴィス・スコット&メトロ・ブーミン」も10位に、2曲がTOP10入りを果たしている。

 21サヴェージのTOP10入りは、両曲を含め通算17曲目のランクインで、ゲストのトラヴィス・スコットは15曲目、メトロ・ブーミンは5曲目にそれぞれ記録を更新した。

 『アメリカン・ドリーム』が初週で記録した133,000ユニットのほとんどがストリーミングによるポイントで、アルバム全体の週間ストリーミングは全15曲で1億6,953万回を記録。そのうち「Redrum」は2,140万回、「Nee-Nah」は1,800万回をそれぞれ記録した。

 本作からは、TOP10入りした上記2曲の他以下のタイトルが100位内にランクインしている。

5位「Redrum」
10位「Nee-Nah with トラヴィス・スコット&メトロ・ブーミン」
18位「All of Me」
19位「N.H.I.E.with ドージャ・キャット」
31位「Pop Ur Sht with ヤング・サグ&メトロ・ブーミン」
33位「Sneaky」
48位「Dangerous with リル・ダーク&メトロ・ブーミン」
40位「Should’ve Wore a Bonnet with ブレント・ファイヤズ」
43位「Prove It with サマー・ウォーカー」
57位「Red Sky with トミー・ニューポート&ミッキー・エッコ」
59位「Letter to My Brudda」
66位「See the Real」
67位「Just Like Me with バーナ・ボーイ&メトロ・ブーミン」
70位「Dark Days with マライア・ザ・サイエンティスト」

 先週4位だったザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」は今週6位に順位を下げたが、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとロック・ソング・チャートではそれぞれ21週目、カントリー・ソング・チャートでは17週目の首位をそれぞれ獲得している。

 ドージャ・キャットの「ペイント・ザ・タウン・レッド」も先週の5位から7位に順位を下げて、先週8位に自身初のTOP10入りを果たしたテディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は同位をキープ。シザの「スヌーズ」は6位から9位にダウンしたが、R&Bソング・チャートでは首位獲得週を25週目に更新した。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月24日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「yes, and?」アリアナ・グランデ
2位「ラヴィン・オン・ミー」ジャック・ハーロウ
3位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
4位「グリーディー」テイト・マクレー
5位「Redrum」21サヴェージ
6位「アイ・リメンバー・エヴリシング」ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス
7位「ペイント・ザ・タウン・レッド」ドージャ・キャット
8位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
9位「スヌーズ」シザ
10位「Nee-Nah」21サヴェージ with トラヴィス・スコット&メトロ・ブーミン