村上市長が口をはさもうとすると、
「なんか言いよう? (村上市長には)信義がないよ。行政は表も裏もいろいろあるき、出せんやつ、財務省だってそうやろ、(森友学園事件の公文書)改ざんからなんから出すんで、国がもうひっくり返るで。行政として、はぐらかしたほうがいいよねってことがある」
と“持論”をとうとうと語った。そして永原町長が主導しての村上市長の「リコール」をにおわせるような発言まであった。
「圧力」「強要」といった点があったのか、大任町に取材すると、
「告訴状の詳細は知りません。どういう発言が強要未遂に該当するのかもわかりません。永原町長は、圧力をかけた、強要した、というようなことはありません」
と担当者が答えた。
村上市長は、
「ごみ処理施設の組合から出て行けという発言は間違いなく録音にも残っています。情報公開をしないなら出て行かなくていいということで、ごみ処理という市民生活に直結するものを、情報公開と結び付け、断念させようという永原町長の発言は看過できない」
と話す。
ごみ処理施設の組合に加入している川崎町の町議は、
「永原町長はうちの町に来たときも『情報公開はしない』『町長に説明してあるから聞け』とつっけんどんな態度で話していた。何か裏があるのかという気がした。村上市長はよくやってくれた。頑張ってほしい」
とエールを送る。
永原町長も対抗して村上市長を告訴する方針
一方で、永原町長も近く、村上市長を刑事告訴する方針であることもわかった。
「永原町長は『刑事告訴されてメンツをつぶされた』と言っているそうだが、情報公開をすれば問題ないこと。隠すからこじれる。永原町長は何を言っているのだろうか」(前出・川崎町の町議)
田川市と大任町について、8月にも別の案件の情報公開をめぐり一騒動起きている。
AERA dot.でも詳報したが、ネットメディアの代表者が2021年6月、田川市に対し廃棄物運搬業務の事業者選定、大任町に対し工事の入札結果、ごみ処理施設整備事業などの関連文書、さらに当時の田川市長と永原町長の選挙運動費用収支報告書の情報公開をそれぞれ求めた。
すると、武田良太総務相(当時)の秘書が代表者に連絡し、「(大臣が)気にしています」「なかったことにしてほしい」などと“圧力”をかけていた疑いが明らかになった。
そして、個人情報として守られるべき情報公開請求の情報が、外部に漏洩(ろうえい)していたことも大きな問題として残っている。
(AERA dot.編集部・今西憲之)