オフィス用大型テーブルの場合、一枚板では耐久性や価格の面で商品になりにくい。軽量化と強度を確保し、価格の課題もクリアできるように、木材とアルミを組み合わせた。この商品は木を使った優れた製品や取り組みに贈られる「ウッドデザイン賞2022」で、最優秀賞となる経済産業大臣賞を受賞した。
商品化にあたり、木が人に与える効果についても東京大学大学院などと共同で実証実験した。クリの木、木目のメラミン、白色のメラミンと、材質の異なる3種の表面材のテーブルで仕事をした時の働く人の集中力や発想力、心理・生理に及ぼす影響について検証。クリの木はメラミンと比べて集中力や発想力を向上させ、ストレスを軽減させる効果が高かったという。
「科学的に効果を証明できたことは、今後の家具作りにも大きな影響を与えると思います。森林、林業の関係者とともに、働く人が心身ともに健康でいられる家具を作り続けたいですね」
今秋には、あずま屋のように人が集う、ひさし付きの木製やぐらシステム「solmio(ソルミオ)」が発売予定だ。(ライター・浴野朝香)
※AERA 2023年9月4日号