元朝日新聞記者　稲垣えみ子

　元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】涼しいと聞いていたんだがいきなりの灼熱！　異常気象から逃れられる場所などなかった

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　突然ですが、今またポートランドにいる。4カ月前に来たばかりなのに。親戚とか友達とかいるわけでもないのに。一体またなぜに？　と思われることであろう。

　もちろん前回の初訪問でこの街が大好きになったってことはある訳だが、それでもわざわざ日をおかず再訪したのには別の理由がありまして。

　私は約束を果たしに来たのである。

　前回来た時、なんて良いところなんだーと思ったので現地の人にそう言うと、皆さん「それじゃあまた来なくっちゃネ」とおっしゃるので「また来たい！」と何度となく返し、でもこれって外国だろうが日本だろうが巷じゃよくあるやり取りで、別にウソってわけじゃないがあくまでその場のノリであり、約束が果たされることはほぼない。

　で、私、もうそういうことはやめようと思ったのです。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子（いながき・えみこ）／1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』（マガジンハウス）、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』（東洋経済新報社）を刊行

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