今週は、ヒゲダンことOfficial髭男dismの勢いに注目したい。Hot100では新曲「Pretender」が8位にまで上昇している(【表1】)。映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌というタイアップもあるが、それ以上にアーティストそのもののポテンシャルが高いといえる。
というのも、この曲のフィジカルのCDは5月15日リリースのため、売上数はまだ反映されていない。しかし、4月17日に先行配信されているため、ダウンロードとストリーミングでのポイントがじわじわと上がってきていることに加え、ラジオのオンエア回数も5週に渡ってベスト5に入るなど、プロモーションの効果も反映されている。また、『ミュージック・ステーション』への出演を始め、露出が上がったこともあって、ツイッターでのつぶやき数も急増している。CDの売上数を反映した次週は、さらに上昇することが予想されるだろう。
この動きは、1年前のメジャー・デビュー・シングル「ノー・ダウト」と比べると格段に違うのがよくわかる(【表2】)。この時もラジオのオンエアに関して健闘しており、マスコミの注目度が高いことはうかがえるが、CDの売上数などその他のポイントはそこに追いついていなかった。ストリーミングはその後上昇しているが、それでもお茶の間に広まったとは言い難い。ただ、今回の「Pretender」の影響で再びストリーミングが急上昇しているのは注目に値する。状況によっては再度チャート上位に食い込む可能性もあるだろう。
いずれにせよ、ヒゲダンはこの新曲でひとつのブレイクポイントに立ったことは間違いない。すでに日本武道館公演を含むツアーも完売しており、今最も勢いに乗っているアーティストといえるだろう。フィジカルのCD発売が反映される次週のチャートにも、ぜひ注目していただきたい。Text:栗本斉