古代から哲学者は、物事の本質を考えてきました。世界とは何か、人間とは何か。人生とは――。そんな哲学者の思想を知ることで、人生はちょっと楽になります。でも、哲学は難解でとっつきにくいんじゃない?というあなたのために、『ざっくりわかる8コマ哲学』(著/小川仁志、マンガ/まめ)では、東西に広く知られる35人の哲学者の思想を、8コマまんがでざっくりゆる~く解説。ここでは、「神は死んだ」と喝破したニーチェの思想をご紹介します。
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ニーチェと言えば、日本で一番知られている哲学者の一人。世界でも人気のある哲学者なのですが、その理由は彼の虚を衝くような独創的な視点と、力強い思想にあるように思います。
彼のもっとも有名な言葉である「神は死んだ」という発想。これはまさに虚を衝くものだといっていいでしょう。神様が死ぬなんて誰も思っていませんから。しかもそれは、キリスト教に頼ってばかりいて主体的に生きようとしない、当時の人々への警告だったわけです。
そうして彼は、力強く生きていくための超人思想を唱えたのです。この超人という名称もさることながら、神なしで強く生きていけというメッセージもまた、私たちを鼓舞するものといえます。なんだか勇気が湧いてきますよね。自分一人でもやっていけるというような。
そのためにはどうすればいいか? 実際には、この世は苦しみに満ちています。だからこそみんな神に頼るわけですが、ニーチェは、その苦しみから目を背けるのではなく、むしろ受け入れればいいじゃないかというのです。
これがニーチェの説く永遠回帰への正しい対処法です。永遠回帰とは、同じ苦しみが永遠に繰り返される状況をいいます。そこから逃れるには、その状況を受け入れ、何度でも立ち上がる気概を持つよりほかありません。「よし、もう一度!」と。
そんな強い「超人」に生まれ変わるには、そもそも自分の軸をしっかりと持たなければなりません。だからニーチェは、自分だけの道徳基準を持てと呼びかけるのです。世間の基準に合わせる必要などない、と。