※写真はイメージ(gettyimages)
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 定年70歳時代、職場はオフィスだけでなく自宅という人も増えるだろう。長く働き続けるためには、パフォーマンスが上がる自分らしい自宅環境の整備が重要だ。AERA2020年2月17日号では、企業の取り組みや在宅勤務のコツを紹介する。

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 自宅環境の整備について、会社が費用を負担するケースもある。希望者が70歳まで働けるよう政府が今国会に提出した法改正案では、従来の定年延長や再雇用に加え、フリーランスで働く人への資金提供なども企業に努力義務として課している。

 総務省「令和元年度 テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」にも選ばれたシックス・アパートは全社員在宅勤務が基本で、自宅やコワーキングスペースなど場所にとらわれることなく仕事をしている。社員は30人だが、出社の義務はなく、オフィスには10人分の席しかない。

 同社では働く環境を自ら作るための費用として、全社員一律で月1万5千円の「テレワーク手当」を導入。カフェ代や通信費など用途は自由で、申請も不要だ。

 デザイナーを務める原田沙織さんはこの手当を利用し、自宅の作業場所をDIYで作った。

「入社するまでは、家は寝るための場所で、そもそも作業デスクがありませんでした。在宅勤務になって、カフェも利用しましたが、長居できないので2カ所をハシゴ。お金もかかるし、これなら出社と同じでは?と疑問を感じていました」

 賃貸の2Kのアパートに、壁を利用した収納棚を取り付け、木材の天板に脚をつけてデスクを自作。収納やライトも含めてかかった費用は14万円。テレワーク手当約10カ月分だ。「滞在時間を気にせず、落ち着いて作業できるようになった」と原田さんはその効果を報告する。

 同社では他にもこの手当を利用して、デスクや椅子を買い替えた、コワーキングスペースに通うための自転車を購入した、という事例もあるという。

 さて、いざ「うちも仕事環境を整えようかな」と思ったとき、何から手をつけるか。家づくりプラットフォーム「Houzz(ハウズ)」では、2千万枚以上の事例写真から家づくり・部屋づくりのヒントを探したり、専門家に相談したりすることができる。ホームオフィスのアイデアを集めた記事や写真は近年注目度が高いという。

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