ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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写真:gettyimages
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 これは一体どうなってるのか。「福井新聞オンライン」の記事(2019年9月4日更新)の一部を抜粋します。

「福井県の杉本達治知事らが内閣府を訪れ、中根一幸副大臣に提言書を手渡した。大学の定員是正について杉本知事が『東京など大都市の大学の定員が多く地方が少ない。(地方の高校生は)出て行かざるを得ない。国策として地方に分散する仕組みを進めてほしい』と訴えたのに対し、中根氏は『知事の皆さんの意見をしっかりと聞いてやっていきたい』と応えた」

 額面通りに解釈すれば、地方の学生が本当に行きたいのは優秀な地方大学なのに、早慶などが合格者を出し過ぎるから仕方なくみんな早慶に行っている。だから大都市圏の大学の定員を減らしてほしい、ということですよ!

 まじですか? こんなこと記事にして恥ずかしくないのだろうか。東京の大学に来ている福井出身の学生に聞いてみればいい。君たちは本当は福井大学に行きたかったのに、定員が少ないから仕方なく慶應義塾大学に来たのか、と。地方の大学を出ても役人以外どうにも使いものにならないから東京の大学に来ているのが現実でしょう。

 私は大手商社で日本の大学生の採用をやり、外資系証券会社でも新卒の学生を決めていましたが、正直、日本の地方国立大学卒で、日本の大手商社、大手外資系証券会社に就職するのは不可能だと思われます。

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