キャリアより家庭と公言してはばからない若い女性が増えている。背景には、自身の母親への憧れがある様子。だが一方で、そう甘くない現実もある。

 私立大学2年の女性(20)が専業主婦に憧れるのは、母親(44)が専業主婦だったから。

「お母さんが家にいるだけでホッとしました」 幼稚園の時は、帰ると母親に近くの公園に連れていってもらった。小学生になると、学校から帰って母親と一緒におやつを食べ、本を読んだ。それが楽しくて、その頃から「お母さんのようになりたい」と思っていたと言う。

 話を聞いた女性たちは、専業主婦=自己犠牲とか所帯やつれ、といったネガティブな主婦像は持っていない。

「友だちの家族と一緒に旅行して楽しみたい」(21歳、大学生)、「早く結婚して、趣味のパン屋を開きたい」(23歳、メーカー勤務)などと、「妻」や「母」というより、旅行や趣味を通して社会とつながり、一人の女性として輝きたいという乙女心をのぞかせる。

 一方、こんなちゃっかり派も。「専業主婦キボンヌ!」と話す女性(23)は、四年制大学の看護学部を卒業して看護師になったばかりだが、思い描くのはこんな生活だ。

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