反社会的勢力が関わる“闇営業”問題をきっかけに騒動が続く吉本興業。今度は四代桂小文枝(68)が交通事故を起こし相手方の女性が入院していたことを、8月19日に発表した。この日は闇営業問題で謹慎していた所属芸人11人の復帰日で、法令順守などを話し合う経営アドバイザリー委員会も開かれた。吉本としては信頼回復をアピールしたかっただけに、なんともタイミングの悪い発表となった。
吉本によると、桂小文枝は8月13日、神戸市で知人の車を運転中に、交差点を右折した際に前方から直進してきた車と衝突したという。相手車両の男女2人のうち女性は、19日時点で入院している。桂小文枝の車には4人が乗っていたがケガはなかった。
「小文枝」は桂派の由緒ある名跡で、落語家の桂きん枝が3月に襲名。大阪・なんばグランド花月を皮切りに、全国で襲名披露公演を行っていた。桂小文枝は吉本を通じて次のようなコメントを出した。
「私の不注意でこのような事故を起こしてしまいました。先方にご迷惑をお掛けしたことを深くお詫びするとともに、一日も早いご退院をお祈りしています。本当に申し訳ございませんでした」
今回の交通事故を発表した19日は、6月24日から謹慎処分となっていた次の所属芸人が復帰する日だった。レイザーラモン・HG、ガリットチュウ・福島善成、くまだまさし、ザ・パンチ・パンチ浜崎、天津・木村卓寛、ムーディ勝山、スリムクラブ、ストロベビー・ディエゴ、2700。
お笑いコンビのスリムクラブや2700らは19日、東京・新宿の「ルミネtheよしもと」のステージに登場。観客らに謝罪しつつ、ネタを披露し笑いを誘った。
雨上がり決死隊の宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮が7月20日に号泣会見し、会社側への不信感を訴えてから1カ月。岡本昭彦社長の7月22日のグダグダ会見で社会的批判を浴びた吉本としては、若手芸人の復帰で一区切りつけたかった。それだけに、ベテランで知名度もある桂小文枝の交通事故は痛かった。
吉本は法令順守や経営改革について専門家から助言してもらう「経営アドバイザリー委員会」の2回目の会合を、8月19日に開いた。国際政治学者の三浦瑠麗や元検察官らが、反社会的勢力の排除策や芸人との契約見直しなどについて議論した。