
4740万円
(時価。2018年11月現在)
東京・銀座がすごいことになっている。世界の高級時計メーカーがこぞって店舗を出しているのだ。これだけ集結している地域は、世界中探してもこの街だけ。ウン千万円やら億超えの腕時計が、当たり前のように(!?)販売されている。なぜにこんなに高いのか。各店舗の前にはドアマンが立っているが、勇気を出して扉の中を覗いてみると……
秋の気配が強まってきたある日、銀座の高級腕時計店巡りを敢行した。それまでまったく足を踏み入れたことのない記者にとっては、未知との遭遇だった。
最初に訪れたリシャール・ミルでは、展示されていた時計は1個だけ。「ご予約いただき、入荷したら連絡を差し上げております」と、パンフレットをいただいた。唯一の展示品の値札には、1911万6千円の文字が躍っていた。
他店ではたくさんの時計が並んでいた。ひょっとして奥にもっと高いのが置いてあるのではと思って尋ねると、A・ランゲ&ゾーネとパテック・フィリップの店舗には、2億数千万円の品があるという。
ピアジェで先頃1億円の時計が売れたと聞き驚愕した後にロレックスを訪れると、展示されていた最高額品は495万円。なんか一息つけた気がするのだ。
オーデマ ピゲは値札がない。気に入ったのがあれば聞けということのようだ。こういう予想外の事態に出くわすと、疲労が蓄積するし喉が渇く。