そんな淫夢ライフに、定期的に登場するのが織田裕二さんです。ドラマ『ママハハ・ブギ』を観ていた中学の頃からなので、かれこれ30年近く、私の夢の主演を張っています。いつもボタンを四つぐらい開けたシャツのままシャワーを浴びていたりするのですが、いざ服を脱がせ交わっても、なぜか最後まで彼の乳首を確認することができずに目が覚める。そんな間柄です。事実、若い頃の織田裕二さんには随分とお世話になりました。あの褐色の肌と分厚い唇は、間違いなく思春期を刺激するセックスシンボルでしたし、肌の露出高めな役も多かった織田さん。しかしながら、私はいまだかつて織田裕二の乳首を見たことがありません。映画『彼女が水着にきがえたら』では、終始ウェットスーツ姿。映画『波の数だけ抱きしめて』では、短パンから逞しい御御足は堪能できたものの上半身は頑なに死守。ドラマ『東京ラブストーリー』でも、シーツを被ってピロートークする肩のみの露出。見せる振りして絶対に見せない──。それが織田裕二という男でした。
ところがその数年後、ドラマ『真昼の月』で常盤貴子さんと濃厚なベッドシーンを披露したのです! 次週予告の段階からタイマー録画を何回も確認したのを覚えています。そしてついに露(あらわ)になった脚、背中、肩、脇……。2分近くはあったであろう織田裕二の初濡れ場を、私は生唾を飲みながら、時にはコマ送りをしつつ何度も観ました。それでも、です。彼の乳首は一瞬たりとも、影や縁すら映っていなかった。
私が、男の乳首に格別なありがたみを抱く理由の7割は織田裕二にあると言えるでしょう。いつか必ず。夢の中で。その時は形状、色、感度、すべてお伝えしますので待っててください。
※週刊朝日 2018年7月27日号
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