輪投げコーナーでは、黄緑のスタッフ用上着をはおった、色白のきれいなお姉さんが優しい表情で子どもに遊び方を教えていた。高円宮家の三女、絢子さま(27)である。城西国際大学で福祉を学び、いまは同大学の福祉総合学部研究員として勤務しているだけあって、子どもへの接し方も堂にいったもの。デニムのパンツに黒いスニーカー。ブルーシートやコンクリートの床にひざをついて子どもの目線に合わせながら、可愛くて仕方がない、といった表情で話しかけている。以前よりもすっきりと痩せて、明るい茶色のボブカットがよく似合っていた。
おもちゃを取りに来た愛子さまと鉢合わせた絢子さまは、愛子さまににっこりと笑いかけた。しかし、愛子さまは学校で
「親戚」と会ったのが照れくさいのか、恥ずかしそうに笑って会釈をすると、お友だちと走りながら縁日コーナーをあとにした。
昨年よりも走り回ることが減り、ジュースをお供に座ってお友だちとお喋りする時間が増えるなど、お姉さんらしい時間の過ごし方が増えたように感じた。
「オール学習院」終了は午後4時――。この日も、蛍の光の曲が大音響で流れ、イベント終了を告げるアナウンスが流れても気にするそぶりもなく、遊び続ける様子は例年と同じである。この日も愛子さまとお友だちは、4時半を過ぎて再び馬場に向かい、馬に餌をあげに行ってしまう。「もう終了時刻を大分過ぎているので」と学習院側のスタッフが慌てて追いかけるが、付き添いの東宮職員が注意する気配もない。
身辺警護のためについている皇宮警察の側衛や警視庁職員ら大勢の大人たちは、愛子さまが帰るまで付き添い、警備体制を敷く。結局、愛子さまが学習院をあとにしたのは、終了時刻を1時間ほど過ぎた午後5時前だ。
来年の5月には天皇の代替わりの儀式が執り行われ、愛子さまは天皇と皇后の娘という立場になる。天真爛漫な少女から、さらにひとまわり成長されることだろう。(本誌・永井貴子)
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