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2009年12月、60周年記念週間に出演した、ブラッド・メルドー(p)をフィーチャーした、リー・コニッツ(as)・クァルテット
2009年12月、60周年記念週間に出演した、ブラッド・メルドー(p)をフィーチャーした、リー・コニッツ(as)・クァルテット

 1940年代には52ndストリートには、スウィング・ストリートと異名をとり、多くのジャズ・クラブが軒を連ね、覇を競っていた。その52ndストリートに、ほど近い、53rd ストリートのブロードウェイ(1674 Broadway)に、1949年、当時、隆盛を極めていたビバップのキング、チャーリー・パーカー(as)のニックネームを関してオープンしたのが、「バードランド」だ。毎晩8時から朝の5時まで、当時のビッグ・ネームのグループが複数出演し、一躍トップ・ジャズ・クラブとなる。ホレス・シルヴァー(p)を擁したアート・ブレイキー(ds)&ジャズ・メッセンジャーズは、その結成ライヴをこのクラブで録音し、1960年代には、ジョン・コルトレーン(ts)もライヴ・アルバムを残している。ジョージ・シアリング(p)はクラブのテーマ曲「ララバイ・オブ・バードランド」を捧げ、70年代には、ジョー・ザヴィヌル(kb)が、50年代を回想して「バードランド」を作曲した。クインシー・ジョーンズ(arr)による1989年のカヴァー・ヴァージョンは、当時の出演者を含むオール・スター・キャストの豪華版で、名物司会者だったピィー・ウィー・ラッセルのオープニング・アナウンスまで入っていて、往事の盛況ぶりが偲ばれる。しかし、時代の趨勢に流されて、オリジナル・バードランドは、惜しまれつつ1965年に閉店した。

 20余年の時を経て、バードランドは1986年にアッパー・ウェストサイドで復活、1997年にはミッドタウンにカムバックした。今もクオリティの高いブッキングで、ジャズ・ファン、観光客で賑わっている。2009年には、オープン60周年を迎え、オリジナル・バードランドの常連だった、ロイ・ヘインズ(ds)や、リー・コニッツ(as)ら大ヴェテランが出演し、祝福した。ブロードウェイのシアター群からもほど近く、2ndセットはミュージカルがハネたあとでも,愉しめる。

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■Birdland (バードランド)
315 West 44th Street (Bt, 8th & 9th Avenue)
New York, NY 10036
http://www.birdlandjazz.com/
tel. 212.581-3080(要予約)
6:00PM~1:30PM、ライヴは8:30PM、11:00PM,曜日によってはアーリー・セットがある。