都議選で自民党都連に大量の刺客を送り込むという小池百合子知事の「宣戦布告」に動揺し、自民から離反者が続出。今夏の都議選はどんな展開になるのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は、小池氏側の戦術をこう予測する。
「小池氏支持派が都議会の過半数64をとるためには、現在の公明23、民進18、かがやけTokyoの3、新風自民3の計47議席に加え、独自候補でもう20議席の上積みが必要。七つある1人区のうち、新風自民の現職がいる一つを除いた六つが重点選挙区になるでしょう。その他の複数区では公明、民進と調整しつつ、自民党から小池支持票を奪っていくことになる」
ネックとなりそうなのは小池氏の党籍問題だ。小池氏は昨夏の都知事選の際に自民党に「進退伺」を出したが、今も自民党籍のまま。これでは自身を代表とした地域政党の立ち上げまでには至らず、知事を支持する「小池印」の候補を応援する、という形にとどまるのではないか、という見方もある。ある民進党都議がいぶかしむ。
「なぜ自民党籍のままなのかはちょっと引っかかる。ある程度、目標を達成したら再び自民党に乗っかる可能性もゼロとは言えない。そこは慎重になりますね」
当の小池氏は13日の会見でこう述べた。
「すでに進退伺を出している。お決めになるのはあちら(党)です」
昨年末から党費を払っていないと主張し、こう続けた。
「払う理由があまりないんですね。知事選であれだけ罵倒されたので、お支払いするのもどうかなと思う」
一方で官邸を詣で安倍首相と1月10日、会談するなど党幹部とのパイプをアピールすることを忘れない。親交があった二階俊博幹事長は日経新聞のインタビューで、小池新党に不快感を示し、「(結成したら)党をあげて徹底的にやる」と、敵意をあらわにする。
小池氏のこうした“二股戦略”は、どんな結果を生み出すのか。都政新聞の平田邦彦主筆がこう語る。