大統領弾劾へ向けた動きが慌ただしくなってきた。
「崔順実(チェスンシル)と朴槿恵大統領は共謀関係にある」という11月20日の韓国検察の発表に対し、朴大統領は「想像と推測を重ねて作った砂上の楼閣にすぎない」(青瓦台〈大統領府〉ホームページ)と猛反発。11月第3週末までに受けるとしていた検察の聴取を突っぱねた。
韓国紙記者が嘆息する。
「検察は再度、29日までに聴取を受けろと迫っているが、大統領が受けるはずはない。自ら退陣する意思がないことは明らかで、弾劾決議と12月の特別検察官の捜査に備えているようだ」
対する野党3党は、「野党、弾劾、12月2日か9日票決」(朝鮮日報11月25日)と意気軒高だ。弾劾可決には国会の3分の2の200議席が求められる。野党は無所属も含めて172議席確保しており、可決にはさらに28議席が必要だ。
「弾劾訴追は9日が有力視されています。弾劾に賛成する与党議員を40人以上取り込んだといわれ、弾劾可決へ王手をかけた。ただ、野党も一枚岩ではなく土壇場で造反する議員が出る可能性もある」(別の記者)
もし弾劾が可決されれば、次の段階として、憲法裁判所で180日以内に弾劾認容か棄却かを決定する。ここで認容された場合、60日以内に大統領選挙が行われることになり、春から夏に大統領選挙が実施される可能性もちらついている。