群馬5区から自民党公認で立候補する小渕優子前経済産業相(40)。「政治とカネ」問題で、厳しい選挙戦となりそうだ。
5区の中心的な地域の選挙事務所を廃止。その理由を選対幹部はこう明かす。
「そんなに大々的にやるんじゃなくて、質素に地味にやりたいからです。選挙期間中は大規模な集会をやらずに、各市町村の拠点遊説を5分から10分ずつ細かくやって『ごめんなさい』『勘弁してください』と頭を下げる。屋内でのミニ集会も一切行わず、すべて庭などの屋外で開く方針です」
後援会関係者によれば、2012年の衆院選では同僚の応援を優先し、自分の選挙区をまわったのは合計3日間、のべ7時間ほど。今回は公示日の2日から投票日まで、地元に張りつく“ドブ板選挙”となりそうだ。
公職選挙法違反などで告発されているだけに、陣営は神経をとがらせる。
「何をつつかれてもいいように、公明な選挙に徹しようと話し合っています。これまで後援会の大きな集会では、参加者にペットボトルの水やお茶を渡してきましたが、今回はそれもなし。そもそも屋内集会がないから、そういう場もない」(後援会関係者)
選挙戦を前に、故小渕恵三元首相の生家であり、群馬県中之条町の本家で、小渕氏の伯母はこう話した。
「小渕家の一族はみんな、ご心配をかけた、申し訳なかったという気持ちだと思います。地味なうちですからね。地元の人たちはそれを知ってますもの」
小渕氏は地元の夏祭りなどで、近くにやって来たときには「元気ですか」と伯母の元に立ち寄ったという。そんな小渕家に受け継がれた家訓がある。
「『一日一生涯』ですよ。そういう精神を、恵三さんから受け継いでやってきました。恵三さんは『冷めたピザ』とか、総理になったときに言われましたが、芯が強かったですね。晩年になればなるほど、人気はうなぎのぼり。パッと散るよりも、一日一生涯ということを忘れずに、一日一日地道にやっていれば道は開けると信じてやってほしい」(伯母)
一から出直す、逃げる選択肢はなかったと語った小渕氏。11月21日の出馬表明会見以降、地元に姿をあらわすことはなかったという。「お詫び行脚」で地味に変われるか。
※週刊朝日 2014年12月12日号