ところで、このような新タイプの入試はどのような対策が必要なのでしょうか。
「英語入試は小学生の時に通っていた英語教室や、英検の勉強が行かせるレベルの内容のところが多いようです。3級程度を目安としている学校が多く見られますが、学校によって異なるので問い合わせてみてください。思考力テストは物事に対してどれだけ興味・関心を持っているかが問われるため、幼いときから色々な場所へ連れて行って子どもの考えを引き出すといった家庭の力が大事になります。こうした入試は本人と合う・合わないの相性もあるので、事前に実施される入試説明会や入試問題対策会で、内容を確認しておくといいでしょう」(安田先生)
新タイプで受験をした生徒たちの話によると、「入試問題対策会で問題を解いたときに、手ごたえを感じて受験を決めた」という声が多数ありました。印象深いのは「塾に行かずに好きなスポーツや趣味の料理を深めるなど、存分に小学生生活を楽しんだ」という声の数々。受験勉強も6年生からと遅いスタートが多いものの、集中して短期間で乗り切り、そのまま中学校での勉強のエネルギーへとつながっている姿が見られました。
従来型の中学受験は、塾が主体。しかし、新タイプの受験では家庭が主体となり、「わが子をどう育てたいか」が問われています。入試スタイルが合えば、今の6年生でもまだ間に合います。私学に少しでも興味があるならば、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
『AERA with Kids 冬号』(朝日新聞出版)では、実際に新しいタイプの受験に挑戦した生徒が多数登場し、受験に対する家庭の考えや実際の取り組みについて紹介しています。2018年に新タイプの入試を導入する学校も掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
高濱正伸,安浪京子,安宅和人,アグネス・チャン