安田教育研究所の安田理代表は、寮生活を始める前に、次の3つのポイントをおさえて欲しいと話す。
(1)寮の雰囲気や寮費などをしっかり調べる
一口に寮と言っても、内容はさまざま。全寮制もあれば通学生と共存する寮もあります。母体となる学校が進学校か、スポーツ強豪校かで、寮の雰囲気もだいぶ変わってきます。まずはなぜ子どもを寮にいれるのか、目的をはっきりとさせること。学費に加えて寮費もかかってきます。6年間払い続けられるのか、予算もきちんとたてておきましょう。母体となる学校が、わが子に合っているかどうかの見極めも大切です
(2)寮に向いている子どもかどうか
子どもによって、発育の過程はさまざま。自立させることが目的だとしても、極度な引っ込み思案、またはまだ親元を離れられるほど成熟していなければ、過度なストレスがかかるだけ。学校生活自体にも悪影響を与える心配があります。ある程度、精神年齢が高く、誰とでもつきあえる子どもの方が早くなじめるようです。親が無理強いせずに、子どもが寮に入ることを納得していることも重要です。
(3)親の心がまえや準備をしっかりと
寮に入れると決めたら、子どもだけでなく、親の方も覚悟が必要です。学校にお任せして、ある程度距離を置いた方がいいでしょう。頻繁に電話したり会いに出かけたりするようでは、何のために寮に入れたのか、目的がぼやけてしまいます。入寮が決まったら早寝早起きを心がけ、食事の好き嫌いをなくしたり、掃除や洗濯など、最低限の家事を身につけたりしておくほうが安心です。
実際、寮生活を選ぶ家庭の理由は、「子どもをたくましく育てたい」「学力をしっかり伸ばしたい」「諸事情により、家族で一緒に住めない」などさまざま。いずれにせよ、子どもが寮生活になじめるかどうかは、あらかじめ親子で学校見学をし、親子でしっかり話し合うことが大切なようです。
ちなみに、寮費は7万前後のところが多いよう(授業料別)。食事などの生活費はもちろん、勉強をしっかり見てくれて、寮ならではのイベントも豊富。もしかしたら、それほど高くない!?
※『AERA with Kids春号』より